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ゲームのプレイ時間は本当に長い方が嬉しい?(2ページ目)

ゲームの購入基準の1つに、どれだけ長く遊べるか、という基準があります。数千円もするゲームを買ったのに、あっという間にクリアしてしまっては残念に思う人も多いでしょう。でも、本当にゲームは長く遊べれば遊べる程いいのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

大人になったゲーマー達

積みゲーマーの図

ゲームを買ったのに遊ばず積んでおく人を、積みゲーマーなどと言います

2013年7月15日は何の日でしょう? 任天堂の据え置きゲームハード、ファミコン生誕30周年記念日です。ファミコンが生誕30周年を迎えたということは、ファミコンを遊んでいた小学生は今や30代から40代になっているということです。

当時は子どもの玩具というイメージも強かったゲームですが、今や大人から子どもまで幅広い層が遊ぶことのできるエンターテイメントになっています。大人になったゲームユーザーの中にも、とにかく工夫してゲームのための時間を作り、クリアに何十時間もかかるというゲームを平気でプレイするという屈強なゲーマーはたくさんいます。

しかし、当然、時間がなくて長くかかるゲームには躊躇してしまうというユーザーもいるはずです。中には、遊びたいんだけどどうしても時間がとれなくて遊べないという人もいるでしょう。遊びきれないのにとにかく買うだけは買って、パッケージを開けずに積んでおく「積みゲーマー」なんていう人達もいるぐらいです。

経験値をお金で買う時代

ファイアーエムブレム 覚醒の図

ファイアーエムブレム 覚醒でも、レベルを簡単に上げることができるDLCが話題になりました

そんな時代を象徴するような事例があります。ダウンロードコンテンツ(以下DLC)、つまりゲームハードをオンラインに接続して購入するゲームの追加要素に、レベルを簡単に上げることができるコンテンツが売られていることです。RPGなどの敵と戦って経験値を稼いでレベルを上げるタイプのゲームで、レベル上げの時間を短縮してさっさとクリアできてしまうようになるDLCで、身も蓋もない言い方をすると、経験値を金で買うというわけです。

PSP向けのダウンロード専用タイトル「スーパーロボット大戦Operation Extend」では、経験値が2倍になるというDLCが100円~300円で販売されています。ニンテンドー3DS用ソフトの「真・女神転生IV」や「ファイアーエムブレム 覚醒」でも、経験値が簡単に手に入るDLCが話題になりました。

経験値やあるいはゲーム内のお金などが簡単に手に入るDLCは通常想定されているゲームバランスを崩したり、あるいは逆に最初からDLCを購入することを想定したゲームバランスのゲームが登場するようになるといった危機感を感じるユーザーもいて、その存在自体が否定的に言われることもままあります。

ここでは経験値をDLCで販売することの是非は取り敢えず置いておきます。注目したいのは、実際にそういうDLCを購入して簡単にレベルを上げてしまいたいというユーザーがいることです。彼らが何の目的で経験値を買っているのか。強くなったキャラクターで暴れたい、という人もいるかもしれません。しかしやっぱり、時間が無いからDLCで補強してスムーズにクリアしたいという人もいるでしょう。それは、経験値を稼ぐという時間を減らして、長時間のゲーム体験をギュッと圧縮する行為です。

それは、ゲーム体験の密度を上げたい、ということなのかもしれません
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