男のこだわりグッズ/デジタルグッズ・便利グッズ

音楽CDを取り込む手軽さで本をデジタル化出来る環境(2ページ目)

かつて、音楽CDをパソコンに取り込んで管理出来るようになった頃、「そんな面倒な事」と言われたものですが、今ではすっかり当たり前の事になりました。そして今、ついに本のデジタル化も、ほぼ音楽CDの取り込み程度に簡単な環境が整い始めています。少しの空き時間でも本のデジタル化が出来ますよ。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド


久しぶりにバージョンアップしたScanSnap「iX500」の実力

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PFU「ScanSnap iX500」49,800円(税込)

続いて、ドキュメントスキャナPFUの「ScanSnap iX500」です。4年近くもドキュメントスキャナのトップランナーであり続けた「ScanSnap S1500」の後継機なのですが、これが、価格は据置なのにビックリするほどの進化を遂げています。詳しいスペックや性能、機能は、製品レビューにお任せするとして、ここでは、本を電子化するのにどれだけ楽で便利かという点に絞って紹介していきます。
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読み込ませた後のチェックがほぼ不要な信頼性の高さ。そして驚くほどのスピードで、本の電子化が本当に楽になった

まず凄いのは、「iX500」にしてからと言うもの、ほぼ100%、重送(複数枚重なって送られてしまうこと)が起こりません。原稿詰まりも滅多に起こりません。つまり、断裁機できちんと本を1枚づつのバラバラの紙にしてさえいれば、後は、このスキャナに乗せるだけで、確実にデジタル化してくれると言うわけです。そして、スキャンスピードも上がっていて、一度に置けるページ数も増えているので、スキャン作業が全体に速いのです。
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文庫なら約90枚、新書やマンガは70枚程度一度に置ける(ガイド納富の経験上の数字ですが)ので、スキャン作業がとても捗る

例えば、500ページの文庫本の場合だと、一度に90枚、つまり180ページ分を連続スキャン出来る(メーカー保証外。カタログスペックは1度に50枚までとなっています)ので、3回のスキャンで全ページの読み込みが完了します。文庫本の場合、1分間に約50枚程度がスキャン出来るので、本のページの追加時間を入れても6分程度。断裁と合せても、ゆっくり作業して8分もあれば1冊の本がデジタル化されます。もっとも、CDのリッピングと違って、その間中、作業する必要があるので、放っておいたら出来てしまう、と言う事はないので、それなりに手間はかかるのですが、スキャン部分は、ほぼノーチェックで行けるようになった事は、とても大きいです。ポイントは、本の断裁後、全てのページがバラバラになっているかを、きちんとチェックする事。それさえ出来ていれば、後はスキャナに任せて問題ありません。
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ブレーキローラーなど、業務用の上位機種の技術を採り入れたメカニズムは、ほぼスキャナ任せでミス無く取り込める実力

後は、時々、スキャナの読取り面をしっかりと拭いてやれば、スキャンの仕上がりも美しく、読みやすいデータが出来上がります。また、OCRの時間が極端に短縮されていて、普通に読み取るのと同じ時間でOCRも完了してしまいます。事典などのリファレンス系の本や、資料本はOCRをかけながらスキャンすれば、後で検索する事も出来ます。時間がほとんど変わらないので、基本はOCRをかける設定にしていても良いくらいです。

ガイド納富の「こだわりチェック」

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片手で持っても疲れず、本そのままのレイアウトで読めるiPad miniとデジタル化した本の組み合わせは、とても読書が捗る

スキャンした本はPDFで保存し、iPadやiPad miniで読みます。この、断裁機「200DX」、「ScanSnap iX500」、「iPad mini」という環境が揃った事で、ようやく書籍のデジタル化が身近で現実的なものになったと思うのです。電子書籍のマーケットの今後にも注目しているのですが、それ以前に、既に持っている本が簡単にデジタル化出来るメリットは、とても大きいのです。例えばガイド納富は、現在、購入した本はまずデジタル化してiPad miniのi文庫HDに入れます。これだけで、いわゆる積ん読本がかなり減りました。色んな本を並行して読む癖があるので、いつでもどこでも、読みかけの本全部から選んで読めるのは、とても気持ちが良いのです。
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ガイド納富のi文庫HDの本棚画面。好きな本を好きなだけ持ち歩けるのは、iPod登場以来の楽しさ

長編マンガ全編を、いくつもまとめて持ち歩く事も出来ますし、分厚い本を電車で読むのも楽ちんです。もちろん、どうしても切れない本もあります。物理的にA4より大きいサイズの本はスキャン出来ませんし、サイン本も切れません。造本そのものが仕掛けになっている(飛び出す絵本など)ものなどなど。さらに、気持ち的にどうしても切れない本もあります。また、本の形で読む方が読みやすい本もあります。電子化した後、もう一度本を買い直した事もあります。それでも、持っている本の大多数を電子化出来れば、これは、パソコンを購入した時から夢に描き、ずっと実現は不可能だと思っていた、蔵書データベースが完成すると言うことなのです。

そんな大袈裟な話ではなくても、本を読むフィールドが広がり、本を保存するスペースも広がります。そして、電子書籍のサービスを提供する側のルールに縛られずに本を読む事が出来ます。好きな本の好きな部分をきちんと保存する事も出来ます。ガイド納富は、好きな小説のシリーズを電子化するついでに、表紙だけを集めたファイルも作りました。そういう感じに本を再編集することも出来ます。多分、自分の本を切って電子化するというスタイルは過渡的なもので、いずれ違った形で本は電子化されていくのだと思うのですが、今の、この手作り感満載の、「趣味としての書籍の電子化」は、それはそれで残っていくような気もします。そのくらいには楽しい作業なんです。

<関連リンク>

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