ドラマ/大河・時代劇

『八重の桜』が大河ドラマになった三つの偶然

2013年大河ドラマ『八重の桜』、主人公は戊辰戦争で活躍し、後に同志社大学を創立した新島襄の妻となった新島八重ですが、以前は地元・会津でも知名度はありませんでした。そんな彼女がなぜ大河ドラマになったのか?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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会津若松城(鶴ヶ城)

会津若松城(鶴ヶ城)

2013年の大河ドラマは綾瀬はるか主演の『八重の桜』。
これが発表されたちょっと後、会津出身の知人と会ったので、話題を振ったところ「ごめん、新島八重ってほとんどしらない」と返されました。

知人によると戊辰戦争・会津若松城攻防戦がらみで有名な女性というと、第一に女性だけの娘子隊を率い美人で有名な中野竹子(『八重の桜』で演じるのは黒木メイサ)。第二に日本初の女性留学生として渡米、帰国後に日清・日露戦争で活躍した大山巌陸軍元帥の妻となった大山捨松(同じく水原希子)。新島八重はその後でさえないというのです。

そんな地元でさえ知名度のなかった新島八重がなぜ大河ドラマの主人公となったのか?それは偶然ともいえる3つの理由があります。


歴史上の有名女性がタネギレ

以前にも書いたのですが、『篤姫』のヒットにより、NHKも女性主人公の大河ドラマをつくりたいところですが、主人公になりそうな歴史上の有名女性はもうほとんど残っていません。
最も主人公にしやすいのは時代の変わり目に天下人の妻として活躍した女性たちで
  • 鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の正室・北条政子(『草燃える』)
  • 室町幕府が実質的に終わった応仁の乱の原因をつくったといわれる日野富子(『花の乱』)
  • 秀吉の正室・ねね(『おんな太閤記』)
  • 浅井三姉妹の末娘で徳川秀忠正室・江(『江』)
  • 十三代家定正室で徳川幕府の最期を看取った天璋院篤姫(『篤姫』)
がいました。
しかし他にいないか考えると、建礼門院徳子は『平清盛』にもでてきたけど悲劇的にしかつくりようがないし、家康の正室・築山殿は家康に殺されました。
可能性があるとしたら斎藤道三の娘で織田信長の正室・濃姫を資料がほとんどないことを利用して想像たくましくドラマ化するぐらいでしょうか?しかしそれはそれで前半・斎藤道三、後半・織田信長が主人公だった『国盗り物語』と同じようなストーリーになりそうです。

『利家とまつ』『功名が辻』の大名の妻路線も無理が大きく、『春の波涛』川上貞奴の女優、文化人路線も後がつづきません。

『歴史秘話ヒストリア』で話題に

そんな中、新島八重が注目されたのが2009年4月22日放送のNHK『歴史秘話ヒストリア』。
サブタイトル「明治悪妻伝説 初代“ハンサムウーマン”新島八重の生涯」に興味をひかれてリアルタイムに見ましたが「こんな女性がいたのか」と印象深いデキで、ネット上でも話題になりました。

新島八重の人生、だいたい三期に分けられてそれぞれにキャッチーな異名があります。
  • 戊辰戦争でスペンサー銃を持って戦った「幕末のジャンヌ・ダルク」
  • 同志社大学創立者、新島襄との対等の結婚生活により悪妻といわれ「ハンサム・ウーマン」
  • 新島襄の死後も裏千家の師範や日清、日露戦争で従軍看護師として活躍し「日本のナイチンゲール」
これだけ山あり谷ありの波瀾万丈さなら十分に連ドラになります。

・しかし「大河ドラマになるにはもうひと押し
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