株式戦略マル秘レポート/戸松信博の「海外投資、注目銘柄はここ!」

QE3発表で金相場が大幅上昇!金価格は今後どうなる?

欧州中央銀行の国債購入、FRBによるQE3といった発表で、金価格が高騰しています。金の長期上昇トレンドは継続しており、今後10年で金価格は倍以上になると予想します。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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QE3発表で金が大幅上昇!

相次ぐ量的緩和=紙片の乱発で貨幣価格は急低下し、金価格は急上昇

相次ぐ量的緩和=紙片の乱発で貨幣価格は急低下し、金価格は急上昇

長らく金価格の調整が続いてきました。2011年後半から何段階かに分けて起きた一連の調整は、まさに調整という言葉がぴったりの様子でした。それは安値から安値へと切り下げ続ける下落トレンドではなく、一定の線(1500ドル台半ば)以下を切らず、騰がりはしないものの安値ラインを耐え固めるという様子です。

2012年も金価格は上昇か?では200日移動平均線を大きく割り込んで調整すれば、リーマンショック直後以来の大チャンスと指摘していましたが、金価格は2012年3月から200日線を下回って調整を続けてきたわけです。しかし、5月以降は騰がりはしなかったものの、ジリジリした展開でしたが、しっかりとベースを踏んで調整時期を固めました。

そしてロンドン現物金価格は7月12日に再び5月の安値に近づく1556ドルまで下がると、そこが2番底となって9月21日には1787ドルまで急浮上してきました。ほぼ年初来高値の位置に戻ってます。背景には欧州中央銀行の国債購入、FRBのQE3という、共に量的緩和策が実行され、希薄化される紙幣に対し、相対的にゴールドの価値が増していることが言えます。

金は10年を超える上昇トレンド継続中

金価格は昨年夏の高騰劇以降、長い間下がったように思われ、メディアにもすっかり取り上げられることが少なくなりました。しかし時間を無視して高値と安値の更新のみを積み上げる「新値三本足」という月足チャートで見ると、10年を超える上昇トレンドが崩れずに継続されているのが分かります。

金は10年を超える上昇トレンド継続中

金は10年を超える上昇トレンド継続中


新値足三本は時間を無視するので、各ローソクがいつの時点のものかを表す横軸はありません(右に行くほど最近です)。ただひたすら月足終値だけを比較して、新値足(高値もしくは安値)を更新するごとに新たなローソクを書き加えます。大半の月はどちらも更新しないので何も書き加えられません。そして過去3本のローソクの安値を下に切り込んだら陰転としてトレンドが変わったとし、逆に陰線が続く時に過去3本の高値を超えれば陽転とします。

これはトレンドの継続と変化を見るのに適しており、金は現在10年間の最高値位置を崩さず上昇継続しています。1年ほど調整が続きましたが、深く安値を切り込むことはなかったので、陰転を逃れました。
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