老後の生活がどうなるのか、家計のキャッシュフロー表を作成して予測していきます
また、国民年金の保険料については、厚生年金制度全体から基礎年金拠出金として負担しています。第2号被保険者に扶養される専業主婦などは第3号被保険者として国民年金に加入しますが、保険料の負担はありません。
自分で国民年金の保険料を負担・納付しなければならないのは、第1号被保険者である自営業者やフリーランスですが、ここ数年保険料の納付率が低迷しています。保険料の未納期間が長期化すると、受給資格が満たせず将来年金を受給することができなくなります。もし、年金がなかったら老後のライフプランはどうなるのか、事例を使って考えてみましょう。
<INDEX>
・老後をシミュレーション~キャッシュフロー表
・事例1~老齢年金が受給できない自営業夫婦
・事例2~満額の老齢基礎年金を受給する自営業夫婦
・事例3~厚生年金に加入した会社員夫婦
・事例の比較からみえること
・保険料未納、その理由は?
老後をシミュレーション~キャッシュフロー表
ライフプランを考えるとき使用するツールに「キャッシュフロー表」があります。キャッシュフロー表は、将来の収入と支出によって資産残高がどのように推移するのか予測するツールです。キャッシュフロー表を作成するとき、収入には可処分所得を使用します。給与収入であれば額面給与から税金や社会保険料を差し引いた手取り額、事業収入であれば必要経費や税金・社会保険料を差し引いた金額になります。給与収入や事業収入は何歳まで仕事を続けるのか、また現在の収入がどの程度増減するのかを予測して将来の収入とします。年金収入については、ねんきん定期便や現在の高齢者の受給額等を参考にします。
キャッシュフロー表の支出は、食費や光熱費のような基本生活費と娯楽費や交際費のような不定期的な支出(その他支出)をわけて考えます。また、車の買い替えや住宅リフォームなど予定しているライフイベントがあれば、その支出額も記入します。将来の支出額は、収入と同様、現在の支出額を参考にしたり、統計値等の高齢者の生活費を参考に記入します。
資産残高は、キャッシュフロー表を作成する時点での預貯金残高や投資信託の残高を合計します。収入から支出を差し引いた年間収支がプラスになれば増額分を前年度の資産残高に加算し、マイナスになれば赤字分を前年度の資産残高から差し引いていきます。なお、資産の内訳が預貯金など安全性の高い商品が中心の場合は運用による収益は考慮しません。
キャッシュフロー表は、作成時の年齢から将来に向けて収入・支出・資産残高を記入していき、各年の収支の値と資産残高の推移をチェックします。特に、途中で資産残高がマイナスになってしまうことがないかどうかを確認します。マイナスになってしまうキャッシュフロー表は、すぐに改善策を考える必要があります。
今回は老後のシミュレーションを行うために、同じ年の夫婦の事例を使って60歳以降のキャッシュフロー表を作成してみます(以下は自営業者のひな形の一例です)。