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新築の6軒に1軒が太陽光発電の家

省エネやエコについての関心が高まるなか、太陽光発電を搭載した家が増えています。ある調査によると、新築した家の6軒に1軒という高い割合です。なぜ、こうした状況になっているのか、追い風の理由を説明しましょう。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

太陽光発電の家が増えている

このところ、太陽光発電システムを搭載する家が増えています。

住宅金融支援機構が2011年11月に行った「新規住宅取得者の耐久消費購入実態調査」によると、一戸建て住宅を建築した世帯(2010年11月~2011年4月に新築した560世帯)が購入した耐久消費材のうち、太陽光発電システムを導入した人は17.5%。つまり、新築した家のおよそ6軒に1軒が設置したことになります。どうでしょうか。かなり高い割合だと思いませんか。

屋根

新築時に太陽光発電を設置する世帯がかなりの勢いで増えています

この数字には、標準仕様などもともと備え付けで太陽光発電システムを設置した住宅は含まれていないので、実際に太陽光発電を搭載した家の割合はもっと大きいはずです。ちなみに、分譲戸建てを購入した人のうち、太陽光発電システムを設置した人は6.6%。注文住宅を建てた世帯の設置が圧倒的に多くなっていることがわかります。

また、前回(2003年度)の同じ調査のときは、「太陽熱温水器・太陽光発電システム」を購入した世帯として太陽熱温水器を設置した世帯も含めて集計されていましたが、その割合はわずか1.3%。この8年間に13倍以上に増えていることがわかります。

太陽光発電を搭載した家はなぜ増えているのか

なぜ、太陽光発電システムを搭載した家は、これほどまでに増えているのでしょうか。

理由のひとつとして考えられるのは、補助金の充実が挙げられます。住んでいる自治体にもよりますが、国の補助金のほか、都道府県と市区町村の補助金を合わせ、最大ではトリプルで補助金が受けられます。そのほかに、住宅エコポイントが付与される可能性もありますね。

例えば、東京都新宿区の(一戸建て)の場合、都も新宿も、補助金は1kW当たり10万円(交付額の上限は都が戸建住宅の場合は100万円、区が30万円)です。仮に、3.5kWの電池モジュールを設置したとすると、東京都から35万円、新宿区から35万円受け取れることになります。これに、国の補助金が加わります。1kW当たりのシステム価格が55万円以下の製品の場合は1kW当たり3万円なので、3.5kWなら10万5000円。補助金は全部合わせて、80万5000円になるわけです。ただ、補助金の交付には、諸条件があるほか、予算に限りがあるため、申請すれば必ず付与されるというわけではありません。また、政策などによって、条件や金額が変更になったり、補助金そのものがなくなることもあります。太陽光発電システムの採用に興味のある人は、自分が住んでいる地域の補助金について事前に確認しておきたいですね。

・東京都 1kW当たり10万円(交付額の上限は戸建住宅は100万円)
・新宿区 1kW当たり10万円(交付額の上限は戸建住宅が30万円)
・国   1kW当たり3万円(1kW当たりのシステム価格が55万円以下の場合。47.5万円の場合は1kW当たり3.5万円)

設置にかなり金額が必要だったとしても、補助金などがおりれば、実質的な出費は少なくなるわけですね。こういった環境が設置を考えている人の後押しをしていると言えるでしょう。

もうひとつ設置の追い風になっている理由は次ページで説明しましょう。

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