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3DSの3Dって、本当に必要?(3ページ目)

2011年末商戦以降絶好調のニンテンドー3DS。さて、その3DSですが、もともと、裸眼立体視でゲームを遊べるというのを最大の特徴として発売したゲームハードです。ということは、多くのユーザーは3Dのゲームが遊べることで3DSを選んでいるのでしょうか? 

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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3Dだけじゃない3DS

3DSと新作タイトルの図

多様性のあるタイトル、多様性のある遊び、そういった中で3DSというハード存在感をどう作っていくかがポイントになるかもしれません。(イラスト 橋下モチチ)

身も蓋もない言い方をしてしまえば、面白いゲームを遊ぶために裸眼立体視というのはそれほど必要ないかもしれません。3DSが発売された当時は、裸眼立体視ってどうなの? 迫力あるの? 目が疲れない? みたいなところが検討の比重として大きかったように思いますが、2011年の年末には、マリオが遊びたい、モンハンやりたい、というタイトルの訴求力によって相対的に3Dという機能の存在が小さくなって売れていった印象があります。また、現状としても、裸眼立体視を上手に使ったゲームがより売れる傾向はあまりみられませんし、各メーカーもとにかく3Dを意識したゲーム作りをしている、といほどでもないようです。

そして、裸眼立体視というものがユーザーにとってあってもなくても良いぐらいの位置にある方が、おそらくはその機能は上手に活用されます。普段はオフにしておいて、ムービーは3Dで楽しもうとか、ARを使って撮影した写真を人に見せる時は3Dで見せたいとか、ある部分は3D映像を使った仕組みを上手く使ってあるけど、常に3Dスイッチをオンにする必要はないとか。裸眼立体視に初めて出会った時の驚きや楽しさがスパイスとして使えるぐらいがちょうどいい塩梅であるようにも思えます。

もっとも、スーパーマリオ 3Dランドがそうであったように、3Dをいかしてこんな面白い演出ができるのか、というゲームはこれからも色々と現れるかもしれませんし、期待もしたいところです。しかしそれは、それこそWiiにおけるWiiリモコンのようなハードの位置づけを決定付ける要素にはならないかもしれません。そしておそらく現状においては、その方が3DSにとっても良い環境を作るでしょう。

2011年苦しい前半を乗り越えて、年末商戦で躍進、2012年はコンテンツを増やし、ユーザーの層に厚みを持たせ、成熟した市場へのステップを踏んでいくことが重要になります。3DSには3D機能だけでなく加速度センサーやジャイロセンサー、ARなどのカメラを使った遊び、すれちがい通信やいつの間に通信といった通信機能、それと実はタイトルによって強力なポテンシャルを発揮する可能性のあるMiiなど、様々な機能が搭載されています。

裸眼立体視というものの位置づけをうまくコントロールしつつ、多様な機能の組合せでさらに多様な遊びをコンスタントに提案し、3Dだけじゃない3DSという存在感を作っていくことが、さらなる躍進のポイントとなっていくように思います。

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