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ゲーム屋さんにデュエルスペースが増える意味

ここ数年、トレーディングカードゲームが非常に盛り上がってきています。それに伴い、ゲームショップでもかなり拡販に力を入れているところが増えてきているようです。場合によっては、テレビゲームの棚を押しのけてまで、デュエルスペースを確保する店舗も。トレーディングカードゲームの現状と、ゲーム屋さんの変化、そしてそこから浮かび上がるテレビゲームの問題点についてお話します。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

テレビゲームを脅かすのはカードゲーム?

対決するハードの図

ゲーム専用機とスマートフォンの対決はよく言われていますが、実はトレーディングカードゲームが台頭してきているんです。しかも、かなりコンピューターゲームと被る形で。

ここ数年、ゲームショップにある波が押し寄せています。トレーディングカードゲームの波です。世間ではスマートフォンやソーシャルゲームが、コンシューマーゲームにとって変わるかもしれないなどともと言われていますが、ゲームを売る現場でコンシューマーゲームを押しのけはじめているのは、もしかするとトレーディングカードゲームの方かもしれません。

トレーディングカードゲームのターゲットは、子供層か、あるいはゲームやアニメ、ライトノベルなどが好きな大人を多く含み、売られている場所は専門のカードショップの他には玩具売場やゲームショップなどと、実はターゲットも販路もかなりの部分でコンシューマーゲームと交差しています。

トレーディングカードゲームの状況が今どうなっているのか、ゲームショップにどんな変化が訪れているのか、そしてそこから浮かび上がるコンシューマーゲームの問題点についてお話してみたいと思います。

勢いをつけるカードゲーム市場

グラフの図

ここ数年で一気に巻き返しているトレーディングカードゲーム。

トレーディングカードゲームは遊戯王シリーズなどで大きく盛り上がった2000年を境に、実は一度下降路線を辿っていた業界です。2006年度に市場規模で400億円弱で底打ちし、それからは毎年成長を続け、2010年度は倍以上となる800億円強にまで成長しました。

2011年も、その盛り上がりを感じた人は多くいたのではないかと思います。トレーディングカードゲームの火付け役である遊戯王シリーズはもちろん、カードファイト!! ヴァンガードや、ヴァイスシュヴァルツといったここ数年の間に登場、そして成長したタイトルのテレビCMなども度々見かける機会があったのではないかと思います。

ただし、例えばコンシューマーゲーム業界と比較するのであれば、コンシューマーゲーム業界の年間市場規模というのは2011年で約4500億円なので、まだまだ届かないというイメージです。しかし、ゲームショップではトレーディングカードゲームに力を入るところがかなり増えてきています。

次は、ゲームショップがトレーディングカードにどれだけ力を入れているのか、そして何故そうするのかについて、考えていきたいと思います。
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