大井町、3路線が乗り入れ、再開発も進行中(2ページ目)

再開発にマンション建設現場も複数。
価格は京浜東北線沿線中トップクラス

歩いてみて気がついたのは、マンション建設中の現場が多かったこと。東急大井町線から数百mも離れていない、大井町駅から区役所に向かう通称区役所通りと、大崎駅から品川区役所につながる道路との交差地点で道路整備も含めた再開発が行われており、ここには地上28階建のタワーマンションが登場します。低層には店舗、区の施設なども入るとのこと。住宅は200数十戸の予定です。大井町線では高架の耐震工事に合わせて、高架下店舗の立ち退き計画があり、駅から再開発エリアの間では空き店舗が増加、いささかさびれた雰囲気になっています。今回の開発で、人の流れが変わり、新しい賑わいが生まれることが期待されます。
駅から徒歩5分圏だけで見ても、現在建築中のマンションが複数あり、この春には即日完売した物件も。再開発も含めて、この街はまだまだ変わるという期待感があるということでしょう。実際、古い建物、現在は駐車場になっている土地なども多いため、規模はさほど大きくないにしても、今後も供給の動向は続くでしょう。価格は場所、規模により異なりますが、60～70平米で6000万円台～。単身者であれば3000万円～というところでしょうか。
特に京浜東北線の東側、駅から京急線に向かう区役所通りの南側で、ゼームス坂、仙台坂と呼ばれる坂の界隈は高台になっており、この周辺ではブランドエリア。かつて仙台藩の下屋敷があった場所でもあり、370余年前に仙台藩主伊達政宗公が江戸在勤の家来らのために邸内で作り始めたという味噌醸造場が今も店を構えています。 ちなみにゼームス坂というちょっと不思議な名称は明治期にこの坂の下に住んでいたゼームスさんという英国人が私財を出して坂を緩やかに改修したことによるもの。以前は浅間坂と言ったそうです。
中古も新築同様、駅に近い物件が多いのが特徴で、徒歩5分以内という例も少なくありません。その分、さほど安くはなっておらず、築10年以内、徒歩10分以内であれば、やはり6000万円前後はします。それより古くなると、多少下がり、40000万円台も。
京浜東北線全体で見ても大井町はトップクラスの価格となっており、中古の場合で坪（3.3平米）当たりの単価は200～220万円が中心。お隣の大森、蒲田と比べて20～30万円は高くなっています。
賃貸はワンルームマンションで8万円前後から、2DKで13万円～、3DKで16万円～といったところ。ワンルームで10万円を超す、お隣品川に比べると多少はお手頃ですが、分譲価格同様高めです。
建売一戸建ては大半が土地面積50平米台の3階建て、3LDK、価格は5000万円～。駅からは10分ちょっとと近い場所が多いのですが、このエリアは台地と低地が入り組んだ場所なので、どんな場所に建っているかをよくチェックする必要があるでしょう。また、駅周辺は商業エリアが広がっているため、駅から徒歩10分圏には品川中央公園以外にまとまった公園がない点も覚えておいてください。
足回り、生活の利便性に加えて、独特の風情もある街、大井町。特に単身者、忙しい毎日を送るカップルにはお勧めの街だろうと思います。






＊記事中の地図はグーグルアースにゼンリンの地図情報、東京地形地図の情報を重ね、記事に必要な地名、施設などを重ねたものです。