中東革命の裏で動いていたアノニマス
他人のコンピュータに侵入するハッキングは違法行為
これらの中東革命では、インターネットを利用して市民が連絡を取り合い、大規模な革命行動を起こしました。それと同時に、ハッカー集団「アノニマス」が、政府のサイトに攻撃を仕掛けダウンさせるなど裏で暗躍していたといわれています。
匿名掲示板から誕生
「アノニマス」という英単語は「匿名」という意味であることからわかるように、彼らは匿名で活動を続けており、その正体は多くの謎に包まれています。完全に正体を表わしていませんが、最近ではCNNなどメジャーな海外メディアインタビューに登場しており、ある程度彼らの正体・目的も明らかになっています。メディアのインタビューを受けるとき、彼らは必ず仮面をかぶって顔を隠しています。アノニマスとは、国際的なハッカー集団であり、その構成員は世界中にいるといわれています。正確な人数は明らかになっていませんが、1000名程度と予想されています。
アノニマスは2003年頃から、いわゆる匿名掲示板を媒介して形成されてきたといわれ、日本同様、世界には4chanなど匿名掲示板が多く存在しています。それらを使ってハッカーが連絡を取り合って集団化し、その後企業などに対してハッカー活動を始めたのは、2007~08年頃から。
アノニマスは多くのハッカーが集まる集団ですが、特徴としてリーダーを持たない点があります。特定のリーダーは持たず、全員が対等の立場で参加していると同時に、首謀者を特定させないようにしているのでしょう。
面白いことに、日本の一揆で使われた「傘連判状」が、これに近い趣旨を持っていました。傘連判状が、一揆の参加者の名前をぐるりと円状に書き、首謀者をわからなくさせるために使われたことは、歴史などで習ったと思います。
アノニマスには独自の旗がありますが、その旗に描かれているのは「首のないスーツ姿の男」です。これも、彼らがリーダーを持たない「頭」となる人物はいないという意味だそうです。