成果主義と年俸制
特に転職時に採用されることが多い年俸制。仕事の成果によって給与が決められるので、仕事に対するモチベーションもアップしそう
従来の年功序列型の給与体系では、年齢や勤続年数により賃金がある程度決まっていました。
年俸制は従来の決まりごとによらずに、また年齢などに関係なく、純粋に仕事の成果などで自由に報酬が決められます。年俸制は成果主義と相性がいいといえます。
年俸でも毎月払いの原則
年俸制といっても、年に1度に年俸が支払われるというものではありません。労働基準法では「毎月払いの原則」が決められています。賃金は、毎月1回以上、一定の期日に支払われなくてはいけません。ですから、年俸制といえども実際の給与の支払いは、通常の月給などと同様に賃金が支払われます。単純に年俸額を12で割った金額を毎月受け取る場合もあります。また、年俸額を16で割った金額を月々の給与分にし、残りを従来のボーナス月に受け取る(16分の2ずつ)といった方法もあります。
残業代は別払いのはず
年俸制は残業代が支払われないと思っている人も少なくないのですが、厳密にいうと残業代は別に支払われるべきものです。ただ、年俸の中に一定の残業時間を想定して、残業代を加算して年俸額が計算されている場合もあります。この時でも、その一定の時間を超えた作業に対しては、残業代が支払われるべきものになります。そもそも残業という概念がない管理職などを除いて、この点はしっかりと確認をしておきたいものです。
年俸制はお金の計画を立てやすく、仕事のモチベーションもアップ
年俸制のメリットは、お金の計画をたてやすいこと。1年間の収入が決まるわけですから、大きな買物やその支払いの計画をたてやすくなります。また、多くは仕事の成果が年俸額に反映されるわけですから、仕事へのモチベーションがあがります。年齢や在籍年数にしばられずに仕事の成果で収入が決まるので、特に若い人にとってはこのメリットが大きいですね。
翌年以降の年俸額がダウンすることも
年俸制のデメリットは、収入維持の約束がされていないということ。翌年以降の年俸額は、また再度の取り決めにより決まります。翌年以降の年俸額が場合によっては、大きくダウンすることもあるでしょう。従来の給与体系では、昇給やボーナスなどの調整で年収が変化してきました。年収ダウンということもありましたが、大きく減ることは少なかったはず。ところが、年俸制では大きく年収が下がる可能性もあります。
年俸制の特徴や注意点をご紹介しました。その他にも、社会保険の保険料と給付額について年俸制で変わってくるところがあります。次のページでご紹介しましょう。