「もう恋をすることはないと思っていた…」
20代の頃に離婚して以来、仕事一筋に生きてきた40代のキャリア女性、中村るい(鈴木京香)が、 17歳年下の妻のいる男、鈴木行(長谷川博己)と恋に落ちる――。彼と運命的に出会って、惹かれあいながらも、最初は「もう恋なんて」と自分を制御しようとするけれども、ともに時間を過ごしていくうちに、パンドラの箱が空き、ついに彼に自分の思いをぶちまける。自分が欲しいのは、浮ついた恋でもなく安定した愛でもなく、「死のような快楽が欲しい」とつぶやく。これまで自分の中の女性性を押さえこんで生きてきたゆえに、一度、開いた恋と愛欲の扉はとどめがたく。一方、行の妻(深田恭子)は若く美しくも一度も社会に出たことのない世間知らず。2人の不倫に気付いてから、無邪気に残酷な制裁を次々と加え始める……。
という、メロドラマティックな設定ながら、実は現代の女性の困難な生き様とエゴイズムをあぶりだした骨太な脚本、役者陣の存在感と演技力の素晴らしさが受けて、掛け値なしに面白いドラマだったと思う。
だけど、その人気の秘密は内容だけじゃない、“セカンドバージン”という言葉、その現象にあったのではないかと思う。セカンドバージンとは、セックスは経験済みだけど、ここしばらくは、チャンスも経験もない女性のこと。
20代にも少なくない。セカンドバージンの女
メモリーに人はたくさんいるのに、恋愛するような相手が誰も登録されてない……
20代半ばがメイン読者層の女性誌「MORE」でも、4月号では、「もしかして私も セカンドバージン!?」という特集が組まれている。本特集によると、未婚25~30歳女性への200人アンケートでは、なんと、74.3%の女性が「自分はセカンドバージンだと思う」と回答していた。
但し、セカンドバージンの定義である「しばらくセックスしていない」のしばらくの認識は「1年程度」なのだけれど。一般的に、恋愛盛りである20代でもそうなのだから、30代、40代では言わずもがな。
そして、本誌を読んでいて、そして、30~40代女性への取材を重ねていて気付いたのは、「セカンドバージンである自分は良くない」と思っていること。そう思う理由は、さまざまあるけれど、その根っこの部分には共通項がある。それは……
「しばらくしていないと女じゃなくなる気がする」
「恋やセックスをしていないと、女として劣っている気がする」