究極のシンプルウォッチ「カラトラバ」
パテック フィリップがジュネーブ市内に設立したミュージアムを訪れ、約1000点に及ぶ同社の歴史的な傑作を目にすると、懐中時計時代から現代の腕時計に至るまで、パテック フィリップがありとあらゆる時計機構とデザインを探究し尽くした感があり、その偉大な世界に圧倒される。その中で永遠の輝きを放つ腕時計が、1932年に初モデルが誕生した名作「カラトラバ(96モデル)」である。バウハウスの造形美学からインスピレーションを得てシンプルな機能美を追求したこの腕時計は、丸形ケースを採用し、文字盤も立体的なバー・インデックスと太いドーフィン針を組み合わせた簡素なものだが、最小限の要素だけでデザインされているからこそ、時計にとって最も重要な「時刻の読み取り」が容易に行えることをみごとに証明している。
細部まで緻密に計算され、発表の時点ですでに高い完成度に達していた「カラトラバ」のデザインは、戦後になって、さまざまな時計メーカーから発表された紳士用ドレスウォッチにも少なからず影響を与えた。パテック フィリップにとっても、「カラトラバ」はブランドを代表する不滅のクラシックであり、今なおオリジナル・デザインに基づいた現代モデルが作り続けられている。
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