ROLEXの歴史は「腕時計」の発展史そのもの
ロレックスを創設し、20世紀の腕時計製造に革新をもたらしたハンス・ウイルスドルフ(1881~1960)
スイスのメーカーと提携して製造した時計を輸入して販売するのが当初の目的だった。「ロレックス」というブランド名は1908年に考案されたという。
彼は先見の明の持ち主だった。懐中時計が主流の20世紀初頭にまったくの未知数だった「腕時計」に挑んでその可能性を徹底的に追求したからである。
革新的な機構を開発して重要な模範を示し続けてきたロレックスの歩みは、まさに「腕時計」の発展史そのものだ。
オイスターのパーペチュアルとデイトジャスト
1910年に腕時計では初めて高精度の証であるクロノメーターの公式証明書を獲得。腕時計に収まる小型ムーブメントの開発が始まったばかりの当時に、ロレックスのムーブメントはすべて公式クロノメーターの認定を受けたものでなくてはならないとウイルスドルフは考えていた。その方針は、現在まで一貫して受け継がれている。
さらに、1926年にねじ込み式の裏蓋とリューズによって水の浸入を防ぐ世界初の防水ケースで特許を取得し、「ロレックス オイスター」が誕生する。
1931年には、世界初の自動巻き機構「パーペチュアルローター」を開発。現代の自動巻きムーブメントの基礎を築いた。
こうして、実用的な腕時計に不可欠な、防水ケースと自動巻きムーブメントの組み合わせが早くも完成した。
カレンダー表示についても1945年に重要な革新を行う。日付を文字盤の小窓で表示する方式を考案し、しかも日付が深夜零時に自動的に切り替わるようにした。
これが有名な「デイトジャスト」である。これらは、現在の一般的な腕時計にとって、いわば「標準仕様」になっているが、その先駆者がまさにロレックスだった。
ダイバーズウォッチの元祖ロレックス「サブマリーナー」
1950年代のロレックスは、現在の高機能スポーツウォッチの原型となる各種のプロフェッショナルウォッチを続々と発表して、腕時計を使用する場面を日常生活から深海や高山、航空や科学の分野へと大きく広げた。この時代に始まる有名な傑作には、「サブマリーナー」、「エクスプローラー」、「GMTマスター」などがある。
1960年、ロレックスのダイバーズウォッチを取り付けた深海潜水艇「トリエステ号」がマリアナ海溝の最深部に潜り、10,916mの深海に到達
これは、それまでの防水腕時計をはるかに上回る100mの防水性を保証する世界初の腕時計だった。しかもダイバーズウォッチに特徴的な、潜水中の経過時間を知るための「回転ベゼル」を装備していた。ステンレススティールによるケースとブレスレットのデザインも画期的だった。
これによって、深海の過酷な環境にも耐える本格的なダイバーズウォッチの歴史が始まった。
サブマリーナの機能が表現するロレックスの哲学
「サブマリーナー」は、誕生以来たえず性能の向上が図られた。防水機能は格段に高まり、回転ベゼルも誤操作や誤作動による事故を防止するために一方向にしか回らない「逆回転防止ベゼル」に改良された。また、ケースから突き出たリューズを衝撃などから保護するリューズガードも加えられた。
ロレックスは、腕時計に求められる機能を考え、革新的な開発によってそれらを飛躍的に進化させてきた。精度や信頼性に優れ、高機能で高品質の実用腕時計を作るというブランドの哲学は、この「サブマリーナー」にもみごとに発揮されている。
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