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次世代PSP「NGP」 海外市場への宣戦布告

とうとう発表された次世代PSP。Next Generation Portable(以下NGP)とコードネームがつけられた新しいハードは、PS3のタイトルを実機で動かすことができるほどのすさまじいパワーを持っています。そのパワーで、SCEは何を狙っているのか、それはNGPが発表されたPlayStationMeetingをじっくり分析すると、明らかになります。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

次世代PSP発表!コードネームはNGP

PSPとPSPgoの図

いよいよ、PSPやPSPgoから、次の時代へとPSPが進化していきます。

2010年1月27日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)は、PlayStationMeeting 2011(以下PSミーティング)を開催しました。その中で、ネット上でも噂になっていた次世代PSPがとうとう、発表されました。Next Generation Portable(以下NGP)というコードネームがつけられた新ハード、会場では、メタルギア・ソリッド4・ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(以下MGS4)や、龍が如く OF THE ENDといったPlayStation3(以下PS3)のタイトルを、NGP上で動かして見せるなど、そのすごいパワーが存分にアピールされていました。

その発表会なんですが、NGPの性能や、新機能をアピールしながら、もう1つ、SCEの明確な意志が読み取れました。それは、このNGPをどこで売っていくか、という姿勢です。結論から言えば、海外に力を入れるよ、という意志がヒシヒシと感じられます。

誤解のないよう、最初に申し上げておくと、日本市場をおろそかにして、という意味ではありません。しかしそれ以上に、海外を強く意識した発表会でした。NGPについて簡単なご紹介をしつつ、SCEがNGPをどう扱っていこうとしているのかについて、考えてみたいと思います。

NGPってどんなハード?

NGPの図

なんだか、ちょっとクラッとくるぐらい、たくさんの機能が搭載されています。

簡単にNGPについて簡単にご紹介しておこうと思います。まず、スペックが大幅に上がっています。細かい数字は割愛しますが、MGS4や龍が如く OF THE ENDといった、PS3のタイトルの実機デモがあったことが、その性能の高さを証明しているでしょう。画面は従来の4.3インチから5インチと大きくなり、解像度は4倍。これまでの携帯機とは段違いの迫力でゲームが遊べることになりそうです。

また、入力インターフェースが実に多様になりました。PS3のコントローラーを彷彿とさせる、左右2つのアナログスティック、前面と背面の両方に装備された2つのタッチパッド。さらに、これまた前面と背面の両方に配備されたカメラ。それから、NGPを傾けたり、動かしたりして操作ができるモーションセンサーとジャイロセンサー、電子コンパス機能にGPSも内蔵、音声を入力するマイクも装備しています。今までとは違う操作方法、遊び方のゲームが登場する為の土台をかなりリッチに装備しています。

通信機能は、従来のWi-Fiはもちろん、3Gを搭載し、いつでもオンラインに接続が可能です。また、実は重要なのがゲームソフトのメディア。従来のUMDから変更され、フラッシュメモリをベースにしたカードタイプのメディアを使用することが発表されました。円盤メディアじゃなくなったことで、動作が静かになったり、ロード時間が短縮されることが期待できます。もともと、充電池の容量が限られる携帯機において、円盤メディアをドライブで高速回転させてゲームをするというのは、あまり相性が良くありませんでしたからね。

さて、これらたくさんの新機能ですが、いくつか、海外市場を意識していると分かるポイントがあります。発表会の模様とあわせて、お話してみたいと思います。
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