長期優良住宅/長く暮らせる家

最近の戸建ては寒くない? 現代住宅の気密・断熱仕様

マンションから一戸建てに引っ越した人からときどき聞くのが「戸建ては寒い」という声。でも、マンションのほうが気密・断熱性能が高いというわけではありません。それに、最近の戸建て住宅の気密・断熱性能はかなり高いのです。

大塚 有美

執筆者:大塚 有美

長く暮らせる家づくりガイド

戸建てよりマンションは寒い?

一戸建てに住んでいる人からときどき聞くのが「戸建ては寒い」という言葉。マンションから住み替えた人に多い意見のようです。しかし、戸建てよりマンションのほうが気密・断熱性能が高いということではなく、四方を住戸に囲まれたマンションは、コンクリートの蓄熱性の高さに加え、それぞれの家庭が暖房するので、暖かいと感じるのではないでしょうか。

複層ガラスの窓

最近の一戸建てなら、注文住宅でなくても複層ガラスが一般的になってきました

以前、冬季に、当時最新の戸建て住宅のモデルハウスに宿泊体験したことがありますが、朝、目覚めたときに、寒いとは感じませんでした。気密・断熱性能が優れていて、暖房計画が考えられた現代の戸建て住宅では、寒さはそれほど気にならなくなっているはずなのです。

寒さ対策には多少費用がかかりますが、暮らし始めてからできることは限られていますから、家を建てるときに考えておきたいものです。そして、そのほうが長い目で見ると光熱費などの経済効果が高いうえ、夏の暑さ対策としても有効です。

熱は窓から逃げていく?

住宅から熱が逃げる場所として考えられるのは、窓や壁、床、屋根、天井など外周部です。その中で熱損失が一番大きいのは開口部で、その割合は48%。つまり、窓から熱の半分近くが失われているのです。

省エネルギー建材普及促進センターのデータによると、外壁部分が19%、換気で流出する割合が17%ですから、それと比べても窓からの熱損失の大きさがわかります。つまり、窓を対策すれば、部屋は暖かくなり、暖房効率も高まるはずなのです。

次ページでは、寒さを防ぐための窓や断熱の施工について見ていきましょう。

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