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手仕事をたずねる旅・岩手編 岩谷堂箪笥(4ページ目)

日本には、良いものを作る産地がたくさんあります。長い時間をかけて受け継がれてきた日本の手仕事。私たちが手に取る雑貨や食器、家具などがどうやって作られているのかを見るために、旅に出ました。最初の目的地は、岩谷堂箪笥の産地、岩手県奥州市。

くろだ あきこ

執筆者:くろだ あきこ

インテリアショップガイド

岩谷堂箪笥ができるまで 漆塗り~金具の製作と取り付け

箪笥としての形が出来上がったら、次は漆塗り。「拭き漆」という木目がはっきりする仕上げと、目地を漆で埋め(目止めと言います)、漆を塗り重ねて仕上げる「木地蝋塗り」とがあります。拭き漆にも様々な色調がありますので、どんな色がいいかは、ショールームなどでじっくりと検討を。

岩谷堂箪笥ができるまで

左:漆を塗っては布で拭いて仕上げる拭き漆の作業中。中央左:漆塗りの道具。漆をヘラですくい取って塗ります。中央右:木地蝋塗りの岩谷堂箪笥。漆黒、朱、緑、白など、自分好みの色で仕上げることもできます。右:拭き漆仕上げの岩谷堂箪笥。深い飴色の仕上げも素敵です


さて、岩谷堂箪笥の特徴的なデザインは、重厚かつ華やかな金具でしょう。鉄板や銅板を鏨(たがね)と呼ばれる道具で打付ける「手打ち金具」と、岩手県の名産・南部鉄を鋳造して模様を描いた「型流し」があります。手打ち金具に使われるたがねは、美しいふくらみを作るために、たがね本体の製造から行うそうです。

岩谷堂箪笥ができるまで

左上:藤里木工所では手打ち金具の製作も。中央上:さまざまなタイプの金具。こちらは鋳型のもの。草花が多いですが、龍なども。左下:鶴のモチーフ。中央下:これが「たがね」。職人さんの手作りなんです。右:美しい手打ち金具。これはITS岩谷堂タンス製作所のショールームで見かけたものです


型流しには様々な模様があり、好みの金具で仕上げてもらうことも可能。もちろん、手打ち金具は何を描くかも思いのまま。世界に一つしかない自分だけの家具のオーダーメイドも楽しそうですね。

いかがでしたか、岩谷堂箪笥の作られるまで。藤里木工所では土日もオープン、見学も可能なので、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

【見学させていただいた工房】
藤里木工所(見学可、事前連絡が望ましいです)
住所:〒023-0171 岩手県奥州市江刺区田原字蟹沢185
地図:Yahoo! 地図 (JR東北新幹線水沢江刺駅から徒歩約5分)
電話:0197-35-7711 / FAX:0197-35-7788
営業時間:午前9:00~午後6:00
工房休日:日曜日と、12月30日~1月4日、8月13日~16日
ショールーム休日:1月1日~2日、8月13日、12月31日

ITS岩谷堂タンス製作所(見学可)
住所:〒023-1131 岩手県奥州市江刺区愛宕字梁川204-1
地図:Yahoo! 地図 (JR東北新幹線水沢江刺駅からタクシーで約7分)
電話:0197-35-7357 / FAX:0197-35-7216
ショールーム休日:12月30~1月1日

●岩手県の手仕事をたずねるシリーズ
・手仕事をたずねる旅・岩手編 岩谷堂箪笥(この記事です)
手仕事をたずねる旅・岩手編 OIGENの南部鉄器
手仕事をたずねる旅・岩手編 秀衡塗

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