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人生90年時代の老後のライフプランの立て方・考え方(3ページ目)

日本人の平均寿命は、男性79.6歳、女性86.4歳で、世界で最も長寿国と言われています。その中で、豊かな老後の暮らしのために準備しておきたい金はいくらぐらいでしょうか? 今回は、老後の準備資金の基本的な考え方を統計データ等を用いて解説します。

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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老後に必要な準備資金の見積もり方

年金も老後の生活に必要な収入源です

年金も老後の生活に必要な収入源です

セカンドライフの期間と老後の生活に必要な資金のイメージができたところで、老後に必要な準備資金の見積もり方を簡単に解説します。

■老後にかかる生活の総額を計算する
まずは、夫婦が生涯を終えるまでにいくらくらいの生活費がかかるか試算してみましょう。……とは言っても、自分たちが何歳くらいまで生きられるかは、誰にもわかりません。そこで、先の生存率グラフを参考にして、何歳まで生きられるかを仮定して夫婦の生活費を試算します。例えば、下図のように老後の生活費を、夫婦2人が一緒にいられる期間と、残念ながら夫が先に亡くなってしまい妻が1人で生活する期間に分けて考えます。妻が1人で生活する時の生活費は、夫婦2人の生活費の70%くらいを目安にすると良いでしょう。

夫婦の老後の生活費の見積方(作成:ガイド平野泰嗣)

夫婦の老後の生活費の見積方(作成:ガイド平野泰嗣)

上のケースでは、65歳定年とし(妻は2歳年下)、夫90歳、妻95歳まで生きることができると仮定して計算しています。

■老後のために準備しておきたい貯蓄額
試算した老後にかかる生活費総額はいくらになりましたか? 事例では、1億764万円となり、想像以上に大きい金額だと驚かれる方もいらっしゃるでしょう。けれども、老後にかかる生活費総額を全て自分たちで準備する必要はありません。自分たちが老後のために準備しなければならない金額は、老後にかかる生活費総額から、退職時に貰える退職金(恩給)、公的年金(共済年金)、自分たちで加入している個人年金などを差し引いた金額です(下図参照)。退職金(恩給)は、自分が所属している企業・組織の総務部門で情報を収集し、公的年金(共済年金)は、ねんきん定期便(公務員共済ねんきん定期便)や旧社会保険庁、各種公務員共済組合連合会等のホームページで目安金額を調べることができます。

老後のために準備しておきたい貯蓄額の考え方(作成:ガイド平野泰嗣)

老後のために準備しておきたい貯蓄額の考え方(作成:ガイド平野泰嗣)



「長生き」がリスクにならないために

今までは、長生きすることは、それだけで素晴らしく幸せなこととして捉えられてきました。ところが最近は、「長生きリスク」という言葉が使われるようになり、長生きは金銭面で考えるとマイナスのイメージとして捉えられるようになってきました。しかし、健康で長生きをし、その期間を十分楽しむだけのお金があれば、幸せな人生であると言えるでしょう。リタイア直前で老後に備えるのでは遅く、長いセカンドライフを見据えて早めに準備を始めれば、長生きリスクを回避し、幸せなセカンドライフを送ることができるでしょう。

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