コーヒー好きにはマニアックなこだわりやさんが多い?!
豆の種類や淹れ方はもちろん、道具のひとつひとつも吟味して、
あれこれ納得のいくものを探求してしまいます。
コーヒーのことを考えると、ついつい夢中になってしまう。不思議な魅力に溢れた、
魔法のような飲み物。
今回は、コーヒー好きのあまり、
自分でコーヒードリッパーを開発してしまった方にお話を伺いました。
ドーナツのように、毎日飽きなくて、永く愛されるドリッパー

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磁器と木の組み合わせもユニーク
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その道具の名前は「ドーナツドリッパー」。おとぼけ感漂うほのぼのしたネーミングですが、
現物を見るとスタイリッシュで無駄な装飾がなく、すっきりと潔いフォルム。
一見北欧デザインか?とも思ってしまいそうなほどシンプルでモダン。
しかしデザインも製作も日本のものです。
美濃焼きの磁器に、ドーナツ型をした木のわっかをぽこんとはめて使います。輪になった受け部分はハードメイプルを使用。
あえて無垢のまま、無塗装仕上げで作られています。
メープルは月日が経つほどに色濃く変化していく素材。
もしコーヒーのシミが付いてしまっても味わいとして受け止め、自分らしい道具に
育てて欲しいという想いがあります。
使うほどに、こんがり美味しそうなキツネ色のドーナツに変化していくのですね。
このドリッパーを開発したのは、TOUCHの中林孝之さん。
元々昔からコーヒーが好きで、かつてはカフェを営業していました。
独学でドリップについて研究し、様々なドリッパーを使ってコーヒーの味を試していたところ、
「ドリッパーによって、コーヒーの味は変わる」という考えにたどり着いたそう。そこから、理想の味を淹れられるドリッパーの探求が始まりました。
「でもまさか、自分で開発することになるとは思ってもみませんでした。
最初は軽い気持ちで、こんなドリッパーがあったらいいのに、というくらいだったんです。
ただ漠然とではあるけれど、自分の頭の中で描くイメージは持っていました」。
楽しくコーヒーが淹れられる、秘密の機能とは

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上からのぞいた様子。中は段々になっていて、大きめのひとつ穴です。
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見た目だけでも十分心惹かれるドリッパーですが、
機能面でも様々な工夫を凝らしています。
まずは傾斜部分。通常のドリッパーより角度を急にし、
内部に入れるコーヒーの層が厚くなるよう配慮しました。
層が厚いことによって、湯が下に落ちるまでの間に、より多くのコーヒー粉
を通ることになります。
また、底の穴を開放したため、穴の数や大きさに左右されることなく湯が
流れ落ち、自然な抽出スピードを実現しています。
さらに、ドリッパーの内側壁面に段々を設けることにより、
ペーパーをしっかり押さえ、湯を外へ伝わせず中へ押し戻す、という機能を持たせています。
これらによって、「しっかり濃いのに、重くなく、スッキリした飲み心地のコーヒー」
が淹れられることを目指しました。
「普通の家庭で楽しく美味しく淹れられるドリッパーが欲しいと思ったんです。
でも最初はこんな風な異素材の組み合わせではなく、
全て磁器で、しかも普通に一体型で作るつもりでいたら、そんな形はできない、と
言われてしまって。このスタイルに到達するまで、いろいろ試行錯誤しました。
ドリッパーってどうも味気のないものが多くて、一般的にはあまり可愛がられていない道具ですよね。
もっと道具と真摯に向き合って、丁寧にコーヒーを淹れたいと思えるようなドリッパーを作りたかったんです」。
ダイニングテーブルの上で食器と混ざっても違和感を感じないような、
使っていて気持ちよく愛着の持てる道具として考案したのだそうです。
土星のわっかのように引っ掛けて収納。しまう姿もかわいくて絵になります。
デザインも機能も秀逸であることから、プロの間でも愛用されつつあるドリッパー
ですが、中林さんは最近またまた新商品を開発しました。
今度はコーヒーを量ってすくうためのスプーンです。
次ページでは、新作のスプーンをご紹介。お家の形?!