住みたい街 首都圏/キケンな街の見分け方

災害に強いのは燃えない、逃げられる街(2ページ目)

首都圏では今後30年間にM7程度の地震が起こる確率は70%といわれています。つまり、これからの街選びでは災害対策が一番重要。キーワードとなるのは「燃えない」「逃げられる」の2つです。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

データから
街の安全度をチェックする

東京都庁
東京都では震災後の街づくりについての検討も始めている
では、具体的にどのように街の安全度をチェックするか。まずはデータをチェックしましょう。ここで最初に見ておきたいのは災害時の安全度。東京都の場合、ほぼ5年おきに地震が起きたときの危険度の予測を出しており、最新のものは2003年にまとめられた第5回地域危険度測定調査結果としてまとめられています。これを見れば、地域の建物倒壊危険度、火災危険度、避難危険度と総合危険度がチェックできるようになっています。

その他、各自治体でも同様の調査を行っており、埼玉県地震被害想定調査神奈川県地震被害想定調査千葉県想定地震の震度分布予測と液状化危険度予測などが参考になります。

避難所に関しても、同様にチェックが可能で、たとえば、東京都の場合は、図、表などで広域避難所をまとめてあります。他自治体についても同様です。また、一次避難所に関しては市区町村のホームページから確認します。

また、上記のような自治体の防災コーナーをチェックする際にはその他の施策、設備、備蓄状況などについても調べておくと、より、その場所の安全度が分かります。

自分の目で
街の安全度をチェックする

住宅街の細い道
建物の周囲5分圏くらいはじっくり歩いてチェックをしよう
データだけではなく、自分の目で現地を確認することも重要です。その場合のチェックポイントとしては、以下のものが挙げられます。

・自分が購入したいと思っている物件の周囲の状況
前述したとおり、古い木造住宅が多い地域、道が細い地域は避けたほうが無難。ちなみに、道幅をチェックするときには、男性が大股で歩いたときの1歩が約1mと覚えておくのが便利です。避難ということを考えると、路上に放置自転車や違法駐車など障害物がないことも大事です。

2方向に逃げられることも大事なポイント。1方向にしかない場合には火に襲われたら、逃げようがないからです。特に、一戸建てでいわゆる旗地の場合は周囲の家が耐火構造かどうか、燃えにくい工夫があるかをチェックしましょう。マンションの場合も、メインエントランスだけではなく、他に敷地内から出る経路があるか、それぞれの出入り口が面している道路の幅は逃げやすいかなども見ておきたいところです。

緑の多い住宅街
緑は延焼防止に効果的。住宅周りの植栽も大事だ
マイナスポイントだけではなく、プラスポイントのチェックもあります。それは、地域の緑化度。阪神・淡路大震災時には植栽が倒壊しそうな建物を支えた例や、公園の緑が延焼を防いだ例がいくつも報告されています。あまり、鬱蒼としていると、死角となるため、防犯上の問題が出てきますが、緑のある街は災害にも強いのです。

・避難所の位置と経路
住宅街の中にある崖
崩落の危険のある崖、落下しそうな看板など歩きながら頭上を見ることも大事

橋や崖以外にも、ブロック塀や自動販売機、頭上に掲げられた看板などは障害物となる可能性がありますから、まずは一時的な避難所まで歩きながら、周囲をチェックしてみましょう。ちなみに、東京の場合、環状七号線内は自動車での避難は禁止されています。

避難所では敷地の広さ、周辺からの延焼の可能性、設備などを見ておきたいもの。建物が古いようであれば、耐震補強されているかどうかは聞いてみてもいいでしょう。そして、時間が許すようであれば、広域避難所もチェック。ファミリーなら、子どもを連れて歩いたら何分くらいかかるのかを意識してみてください。

住んでからのご近所付き合い、
共に助け合う姿勢も大事

不燃化対策
東京都では危険な木造密集地を減らそうと再開発を進めている
いくら安全な街を選んだつもりでも、災害には人知を超えたパワーがあります。ですから、非常時に備えて食料や水などを備蓄する、家具を固定するなどの備えはどんな場合にも必要ですし、もうひとつ、大事なのはご近所付き合い。

阪神・淡路大震災では倒壊した建物に閉じ込められたり、生き埋めになった人の大半はご近所の人の通報で救助されました。また、避難所では1人が畳1枚程度のスペースで何日かを過ごさなくてはいけないこともありえます。そのときに、まわり中がまったく知らない人であるストレスはいかばかりでしょう。特に、子どもやペットにとっては、さらに厳しいストレスになるでしょう。

そうしたことを想像すると、ご近所付き合いはある種のリスクマネジメント。家族揃って生き延びるためには、周囲と助け合う、街づくりなどに関心を持つといった、共に助けあう姿勢も大事なのです。
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