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川口、再開発でイメージ一変。生れ変った鋳物の街

荒川を挟んで東京都と隣接する川口。かつての鋳物の街はここ2~3年の駅東口の再開発、大型商業施設の誕生などでイメージ一変。埼玉高速鉄道川口元郷駅周辺での住宅建設もあり、まだまだ変わりそうです。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

足回りはいいのに人気はいまひとつ
そのイメージが再開発、大規模店誕生で変化

東口側から見る川口駅
東口側から見下ろす川口駅。駅左側が西口で手前にあるのが川口文化センター、リリア。その向こうの緑が川口西公園
東京駅から京浜東北線で22分。お隣の赤羽駅では埼京線、新宿湘南ライン、高崎線、宇都宮線などへの乗り換えも可能と足回りの良さでは申し分ない立地ながら、これまでいまひとつ人気がなかった街、川口。今から約2万年前の旧石器時代から人が住んできた場所ですから、住みやすい街なのですが、明治末期から集中した鋳物工場のイメージ、そしてその後はお隣西川口の、一時期興隆を極めた風俗営業や近在にあるオートレース場のイメージが邪魔してきたように思われます。

川口駅西口ロータリー
駅西口の広々としたロータリー。正面の滝の背後が公園、左手の住宅が再開発で生まれたリブレ川口
それが変化を始めたのは、意外に古く、1987年の西口再開発から。この地にあった国立公害資源研究所(現・国立環境研究所。在つくば)の移転に伴って空いた5.5ha以上もの広大な敷地を再開発することになり、生まれたのが点在する彫刻で有名な川口西公園、川口の芸術・文化の拠点となっている川口文化センター(愛称リリア)、そしてタワー2棟を含む住宅群リブレ川口です。この再開発は駅西口に他にない、ゆったりしたスペースを生み出し、西口周辺での住宅開発の引き金にもなりました。

東口側を上から見たところ
駅と主要な建物がぺデストリアンデッキで安全に結ばれている川口駅東口側
続いての変化は東口側。こちらはそごうを始めとする商業施設が多い、賑やかなエリアですが、老朽化した建物や細い路地などが多く、それを解消するため、再開発が必要だったのです。中でも、駅のイメージを変えたのが2006年に完成した川口1丁目1番、ずばり駅前の再開発です。

キュポ・ラ
フリマ準備中のイベント広場から見上げる再開発ビル、キュポ・ラ。建物内にある市立図書館は広々としており、眺望も良い
旧国鉄貨物ヤード跡地なども含む約2.3haには現在、川口中央図書館、駅前市民ホール、駅前保育園などが入った本館(愛称キュポ・ラ)、地上34階のタワーマンション、駐車場などが作られ、ベンチやモニュメントなどもあるイベント広場も。かつての雑然とした街並みはもう、その面影もありません。

アリオ川口
広々とした広場に面して商業施設、スポーツクラブ、市のアートギャラリーなどが並ぶアリオ川口
この開発と前後して登場した大型商業施設アリオ川口もイメージ一新に大きく寄与しています。これは京浜東北線の線路沿いにあった清涼飲料水工場の跡地を利用したもので、商業施設に映画館、公園、分譲・賃貸住宅などのある複合開発。住宅が話題になったこともあり、新しい川口をイメージした人も多かったようです。

次のページでは街の様子を歩いて見ていきましょう。
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