リフォーム費用/リフォーム予算・相場とその読み方

リフォーム価格のパック料金は本当におトク?(2ページ目)

リフォーム価格を検討する際に参考にする投函チラシ。ですが、掲載されているパック料金のリフォーム価格には注意が必要です。わかりやすい金額提示と低価格で思わず飛びつきたくなるものも多いかと思いますが、ちょっと待ってください。今回はパック料金のリフォーム価格表示で気をつけたい点についてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

確かに安くて飛びついたけど……

浴室
手ごろな価格で素敵な浴室にリフォームできるとしたら、きっと気持ちが動いてしまう方も多いはずです。
Aさんは自宅の郵便受けに投函されていた、とあるリフォーム業者のチラシに「浴室ユニットバス 工事費用込み69.8万円」という記載がありました。ちょうど住まいの在来浴室が古くなり、タイル目地のひび割れなども気になっていたこともあり、その業者に電話で問い合わせてみることにしました。

問い合わせてみると幸いなことに、Aさんの住まいの浴室にちょうどピッタリサイズのものがあり、工事費用もチラシに記載されている69.8万円で可能だと言うので、すぐにリフォーム業者の担当者を呼びました。Aさん家族は、お風呂に対してのこだわりも特になく、パック価格に含まれる仕様で問題ないということになり、打ち合わせてから間もなく工事を依頼することにしました。

交換工事費って、設備の入れ替え工事だけ!?

配管の傷み
水回りのリフォームの場合は、築年数などを考慮し、配管の交換や構造部の補修を見積っておきましょう。
実際に工事着工となると、意外と気ぜわしいものでした。工事の職人たちは非常に愛想も良く、丁寧ですが、どんどん工事を進めていきます。新しいユニットバスが組みあがり、後は片付けと掃除を残すばかり。しかしその時、職人の何気ない一言でAさんの顔色が変わりました。

「給湯管が傷んでいるから、いずれ漏水になるかもしれないですよ。」

Aさんは驚きました。今回依頼したリフォームに、給湯管の交換も含まれていると思ったからです。急いでリフォーム業者の担当者に連絡を取ると、「それは含まれていません。」の一言。チラシをよく見てみると「既設給水・給湯管接続工事」という記載になっています。これは、現在の給水管と給湯管を新しい浴室設備に「接続」する工事という意味であって、「交換」ではありません。これでは業者に文句を言うこともできませんでした。

追加出費を渋ったばっかりに、結局無駄な費用が発生

水道メーター
宅内の漏水は、一般的に水道メーターの検針で発見されること多いようです。突然水道の使用量が増えた時などは要チェックです。
工事を途中で中断してもらおうと思いましたが、すでにユニットバスは完全に据え付けられており、給湯管を交換するには再度外さなくてはなりません。もちろん費用も余計にかかるため、Aさんは何事もないことを願いながら、今回のリフォームを終わらせることにしました。

ところがその4ヵ月後、水道局の検針で漏水していることが判明しました。その後の調査で原因はユニットバス下の給湯管ということがわかりました。ユニットバスを一部取り外してもらい、給湯管を全部取り替えることにしました。水道工事業者からの請求は8万6千円でしたが、「ユニットバスを新しくする際に、給湯管や給水管も一緒に交換しておけば3~4万円で済んだのに」という業者の一言に、つくづくAさんはショックが隠しきれませんでした。

リフォーム業者の責任の範囲は?

水道工事業者の話では、今回漏水した箇所は以前から使っていた古い給湯管のつなぎ目でした。リフォームでは部分的に交換や補修を加えるため、リフォーム箇所とそうでない箇所とのつなぎ目や、リフォームしていない劣化箇所にトラブルが生じることも多いのです。今回のAさんのケースはまさしくこれでした。Aさんは業者がもっと早くこういったことについて教えてくれればよかったのにと思いながらも、リフォーム業者だけを責める訳にもいかず、つくづくリフォームの難しさと怖さを思い知ったのでした。

では、パック価格のリフォームを利用するときは、どのようなことに気をつけておけば良いのでしょうか。次のページでは、リフォーム業者との打ち合わせを通して、業者との信頼関係まで築き上げたBさんの事例をご紹介します。
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