意外と多い腕・手のしびれ

筆記など通常は簡単にできる動作でも手や腕に不快感を伴う場合があります

筆記など通常は簡単にできる動作でも手や腕に不快感を伴う場合があります

ひとことで「腕や手にしびれを感じる」といっても、時々気になる程度のものから、日常生活に支障をきたすようなもの、さらに生命に関わる悪性のものまで、様々なケースがあります。

なかでも肩こりに伴い腕や手にしびれ・痛みを生じるケースでは、肩こりが改善されると腕や手に感じていたしびれや痛みも緩和されていくことがあります。また、「たかが肩こり」と思っていると、思わぬ疾患が隠れていることもあります。どちらにしても早めにケアする意識が必要です。

肩こりを伴うしびれ

筆記など通常は簡単にできる動作でも手や腕に不快感を伴う場合があります

肩こりを生じやすい環境で過ごしている人は肩こりを伴うしびれに要注意です

しびれの感じ方には個人差があり、その表現も「ピリピリ」「チクチク」「ジンジン」、皮膚を触った感覚が鈍い、手・指を動かしにくい気がする、正座のしびれに似ているなどがあります。疾患の原因によっては、痛みのみを感じる場合もあるかもしれません。

しびれを感じる疾患の中には、肩こりに伴って起こるものもあります。また、肩こりの自覚症状が無くても、首や肩周りの筋肉を触ってみると、硬くこり固まっていたり、張っていたりと、肩周りの筋肉が緊張状態になっているケースが多くみられます。

それでは、肩こりに伴うしびれには具体的にどのような疾患が考えられるのか、以下で見ていきましょう。

頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)

■どのような疾患?
オレンジ色の部分が椎間板で、首への負担により椎間板が飛び出してしまいます

オレンジ色の部分が椎間板で、首への負担により椎間板が飛び出してしまいます

背骨の首の部分は、7つの骨(椎骨)が積み重なって出来ています。その椎骨の間に、クッションの役割をしている「椎間板」があります。

頭を支えるためにも重要な首ですが、何らかの理由で負担がかかると、椎間板が飛び出してしまう場合があります。これが頚椎椎間板ヘルニアです。

■どのような症状?
背骨の中央には「脊髄」と呼ばれる脳と腕・手・足・内臓をつなぐ、身体を動かすために大変重要な部分があります。ヘルニアの位置によっては脊髄を刺激してしまう場合と、脊髄から枝分かれした神経根の部分が刺激されてしまう場合とで、出る症状に異なる点があります。

頚椎のヘルニアであっても、症状が下半身へ出てしまい、太ももや足がしびれたり、排尿障害を生じるなど、重い症状に見舞われるケースもあるのです。

【脊髄が刺激された場合】
□首、肩周辺のコリ
□腕のしびれ、痛み・下肢のしびれ、痛み
□力が入らない
□排尿障害
□ペンで字を書いたり、服のボタンを留めるなどの手先の作業に支障が出る

【神経根が刺激された場合】
□首、肩周辺のコリ
□肩から腕、指のしびれ、痛み
□首を後ろへ倒すと首の付け根、肩甲骨付近、指先に痛みが走る

※頚椎椎間板ヘルニアの詳細記事
「頚椎ヘルニアの原因・症状・治療」

変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)

■どのような疾患?
首の骨に出来てしまった骨棘(こつきょく)(茶色部分)が、神経(ピンク部分)を刺激してしまうことがあります

首の骨に出来てしまった骨棘(こつきょく)(茶色部分)が、神経(ピンク部分)を刺激してしまうことがあります

一般的には、首の部分を構成している背骨に起こる、老化現象と言われていますが、激しいスポーツで頚部に負担をかけている人にもみられることがあります。

椎間板のクッション性の低下や、筋肉・靭帯が弱くなることで頚部が不安定になると、負担のかかっている骨にトゲのようなものが出来てしまいます。このトゲの出来る位置や大きさによって、症状が重くなることもあります。

老化現象と聞くとショックを受けるかもしれませんが、日常生活中のクセによる首への負担のかけ方や、スポーツ、外傷によっても、頚椎(首の骨)に変性が見られることがあります。

しかし、頚椎の変性がある場合でも、必ずしも症状が出るわけではありませんが、首への負担をかけ続けたり、何かのきっかけで、腕の方への痛みやしびれといった症状が出てしまうこともあるため、生活習慣を含めて改善が必要になるかもしれません。

■どのような症状?
頚椎椎間板ヘルニアと同じように、トゲのできる位置、大きさによって、脊髄に関わる症状が出たり、神経根、血管に関わる症状が出たりと様々です。

□首、肩周辺のコリ
□腕、手先のしびれ・痛み、脱力感
□後頭部の痛み
□めまい、耳鳴り
□手や足の動きがぎこちなくなる、歩くことが困難
□排尿障害

※頚椎症の詳細記事
「頚椎症・頚髄症の症状・原因・治療・リハビリ」

後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう) 

■どのような疾患?
後縦靭帯(水色部分)は、首の骨に沿って縦方向に走っています

後縦靭帯(水色部分)は、首の骨に沿って縦方向に走っています

首を構成している7つの骨は、縦に積み重なるように配列されていますが、この状態を支える組織のひとつに「後縦靭帯」があります。

この靭帯は背骨に沿って縦に走っているのですが、後縦靭帯が骨のように硬くなり、大きくなってしまうと神経根や脊髄を障害します。首以外の背骨にも起こる可能性のある原因不明の疾患です。

■どのような症状?
□首、肩こり、こわばり
□頭を動かす範囲が制限される
□首や肩、肩甲骨あたりの痛み・しびれ
□指先、腕へのしびれ(悪化すると徐々に広がっていくことも)
□手先の作業ができない
□足が思うように動かず歩きにくい
□排尿障害

※後縦靭帯骨化症の詳細記事
「後縦靭帯骨化症の原因・症状・治療・リハビリ」

早めに専門医に相談を

頚部は、頭を支える働き以外にも、身体を動かすことに関わる大変重要な部位です。原因は様々ですが、首の部分に起こる問題では、症状が似ているものが多く、肩こりにとどまらずに、下半身にまで影響を与えるケースもあります。

首の違和感や手・腕にしびれ、痛みが出た場合は、すぐに整形外科、神経内科などの専門医を受診しましょう。進行してしまうと、症状の改善が難しくなるものもあるため、早めに対処することが大切です。


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