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花粉症治療薬 鼻詰まり(2ページ目)

花粉症の皆さま、今年はいかがですか?いつものあの薬を使うのが安心ですが、鼻詰まりにお悩みの方は今度の診察の時に先生に相談なさってみてください。最近の鼻詰まりに対する薬の情報です。

執筆者:赤堀 一仁

ロイコトリエン、トロンボキサンA2(エーツー)ってなに?
ロイコトリエンやトロンボキサンA2(エーツー)と呼ばれている物質は、ヒスタミンと同じように生体内でアレルギーの症状を引き起こす所に関係している物質だという事が最近の研究でわかってきました。

アレルギー反応を引き起こすメカニズムの中でも、ヒスタミンが関与している鼻水やくしゃみについては前回の記事で解説してきました。いっぽうこれら、ロイコトリエンやトロンボキサンA2という物質は、どうやら鼻がつまる所で機能している物質のようです。

ロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサンA2拮抗薬
実は、これらの物質の分泌を抑えてアレルギー症状を改善する働きは、これまでのアレルギー薬にもありました。でも、こうした生体内の情報伝達物質の分泌などを抑えるものは比較的マイルドな効果でしかありません。

今回のお薬は、拮抗薬といって物質が結合して情報を伝達する「結合される所」にくっついて情報が伝わるのをブロックする働きのものです。よく「鍵穴に先回りしてブロック!」というフレーズのあれです。
(注:CMはヒスタミン受容体の事です)

こうした薬は、もともと喘息(ぜんそく)症状のある患者さんのために作られてきました。どちらかというと予防的な薬の利用が必要な喘息では、こうした薬がよく利用されます。その実績を積み重ねていくうちに、どうやら鼻詰まりに効果があるという特徴が見えてきたようです。

そして・・・
ご紹介してきました、これらの働きをもった薬は、実は日本ではすでにいくつか発売されています。でも、お話ししたように喘息用の薬として使われているものが多く、花粉症の症状で使うことができる薬は限られたものしかないようです。
(参考記事:使い方のルールfrom お薬開発物語episode6)

ご紹介してきたこれらの薬は、すべて医療用の医薬品です。病院に行って医師の診断が無ければ手にする事ができない種類の薬になります。症状や年齢などの点から判断して、あなたに使った方がいいと診断されてはじめて処方されるので、希望がかなわない場合もある事をあらかじめ了解しておいて下さい。そして、処方されたとしても、個人差などから全ての人の症状を同じように緩和するわけではない事も知っておいて下さい。とりあえず、これらの薬を使う事を希望されるのであれば、まずは医療機関を受診して医師に御相談下さい。

ワンポイント!
このようにアレルギーに使われる薬は、鼻水やくしゃみ、鼻閉のどれかにしか効果が無いのではなく、効果の強弱の差があっても、どれにも効果があるものもあります。そのどこが一番効果があるのかによって使い分けがされているようです。これまでのお薬でも鼻閉に効果がないわけではない、という事も大切なポイントです。

<参考文献>
・鼻アレルギー-基礎と臨床-奥田稔著
・鼻アレルギー診療ガイドライン
-通年性鼻炎と花粉症-2002年版(改訂第4版)
鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会
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