メンタルヘルス/心の病気の原因・症状・セルフチェック

もしも空想癖があったら…心が若い証拠?

空想する事はなかなか楽しい事ではありますが、辛い現実から心を守る為の手段になってしまう場合もあります。空想癖があった場合に注意すべき事について、詳しく説明しましょう。

中嶋 泰憲

執筆者:中嶋 泰憲

医師 / メンタルヘルスガイド

幸せそうな彼ですが、何か楽しい事を空想しているのでしょうか?
空想は誰もが時にはする事ですが、空想の世界に浸ってしまう「空想癖」がある方も結構いらっしゃるようです。ぼーっとして自分の世界に入っている白昼夢の状態は、他人から見るとあまり格好良いものではありません。しかし人からどう思われるか以前に、やるべき事を忘れてしまうといった問題の原因にもなりえます。

今回は、空想癖について詳しくご説明しましょう。

空想に耽る事は若い証し?

空想をよくする人もいれば、あまりしない人もいますが、年齢を重ねるにつれ、空想する頻度が減少していませんか? 10代から20代前半を思い起こしてみると、「あの頃はよく空想していたな」と思い当たる人が多いかもしれません。思春期は感受性が豊かな、言わば、夢見る年頃ですし、あまり空想しなくなったという事は年を取った、言い換えれば、それだけ心が成熟した証しかもしれません。

空想自体は人によってはなかなか楽しいものですし、使い方によっては役にも立ちます。例えば、仕事中に辛さを感じている時、何か楽しい事、例えば、休暇中に南の島でバカンスを取っているようなイメージを頭に浮かべて、仕事のモチベーションを高めている人もいらっしゃるでしょう。しかし、空想には楽しいが故、浸り過ぎてしまうリスクがあります。もしも、気分を良くする必要がある度に空想に浸っていたら、空想に浸る事がその人の心の防衛機制になっています。

心の防衛機制とは心理学の用語で、心を不安定にさせるような現実に直面した時、心を安定にする為に取られる手段の事です。例えば、何かおもしろくない事があった時に取られる心の防衛機制は様々あります。八つ当たりしてしまう、意識しないように心の内に抑圧してしまう、それをばねにして一生懸命がんばる場合などありますが、空想に浸る事も辛い現実から心を守る為の心の防衛機制となります。

空想の世界に浸りすぎてしまう……すなわち、心を守る為に空想を心の防衛機制として使い過ぎてしまうと、深刻な問題が生じてきます。

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