婦人病・女性の病気/冷え・冷え性

冷えないカラダをつくる9つのルール

【医師が解説】生理痛や腰痛などを悪化させ、むくみの原因にもなる冷え。重ね着などで対処するだけでなく、体の中から冷え性改善のために工夫していくことが大切です。日常生活の中で簡単に取り入れられる、冷えないカラダをつくる9つのコツをご紹介します。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

生理痛や腰痛悪化の原因にもなる「冷え」

冷え対策をする女性

冷えは様々な不調の原因になります。カラダの内側から改善していくことが大切です

冷えは生理痛や腰痛を悪化させ、むくみの原因にもなる女性の大敵です。寒い季節は重ね着をしたりカイロを使ったりして冷えないように工夫することももちろん大事。でも、本当の冷え性改善は体の中から変えていくことが重要です。

「冷え性」の仕組みを知って、「冷えないカラダ」を作りましょう! 食生活、生活リズム・スタイル・運動習慣の3つにわけて、冷えないカラダを作る9つのコツをご紹介します。
 

冷えないカラダをつくるルール【食生活のコツ】

タマネギ

たまねぎなど、刺激のあるものは体を温めます

1. カラダを温める食べ物をとる
体をあたためる食べ物は「物理的にあったかくて」「塩気、苦味、渋みがあるもの」です。

逆に体を冷やす食べ物とは、「物理的に冷たくて」「砂糖(糖質)を多く含んでいるもの」です。

つまり、生野菜より火を通した野菜、冷たいジュースより温かいお茶、冷酒より熱燗といったことですね。

また刺激のあるものは体を温めるので、たまねぎ、ねぎ、しょうが、ハーブ、唐辛子などをうまく利用しましょう。

2. カラダを温める栄養素をとる
ビタミンB、C、Eが不足しないようにしましょう。ビタミンBは糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変えるのに必要。夏ばて対策ビタミンでもありますね。豚肉などに多く含まれます。ビタミンEは血行を改善して女性ホルモンバランスを調整する働きがあります。ナッツ類、アボガドなどに多く含まれます。ビタミンCは貧血改善、細い血管の働きを維持する効果があります。ストレスやタバコで多く消費されるので、心当たりのある方は必要量(一日50mg)より多く摂取するのがオススメ。

また、精製されたものはビタミン、ミネラルが少ないことが多いので白砂糖より黒砂糖、白米より玄米など「白より茶色」の食べ物をとるように心がけましょう。

3. タンパク質を効果的にとる
そして、見落としがちなのがタンパク質。食事をすると体があたたまりますよね。これは食べ物を消化・吸収する時に体がエネルギーを発散するからで、この熱のことを食事誘導性熱産生(DIT=Diet Induced Thermogenesis)と呼びます。

実はこのDIT、栄養素によって違うのです。食べたものをどれくらい熱に変えることができるかを比較すると、タンパク質は30%、炭水化物10%、脂肪で3~4%くらいと言われています。

そしてタンパク質は、筋肉やホルモンの原料になりますので、特に体内で構成できない必須アミノ酸を含む良質のタンパク源(大豆製品、乳製品、肉、魚)は積極的に食べましょう。
 

冷えないカラダをつくる9つのルール【生活リズム・スタイルのコツ】

生活

不規則な生活リズムは、体の調節機能を狂わせてしまう可能性があります

4. 規則正しい睡眠
睡眠は人間の体を一定に保つのに重要なので、できるだけ規則正しい睡眠を心がけるようにしましょう。例えば寝る時間がまちまちでも、いつもと同じ時間に起きることも重要。眠かったら二度寝、お昼寝するのも一案です。体のリズムを一定に保つのが大事。

5. 足を温める
足は心臓から一番遠いところにある上に、うっ血して冷えやすくなります。足湯をしたり、足の指が動く五本指ソックスを履いたり、寝るときに湯たんぽを入れたりと足を冷やさないようにしましょう。またむくむと冷えが悪化しますので、こまめに足を上げたり足首を動かしたりするようにしましょう。またミニスカートにはブーツなど、服装にも気を使いましょうね。

6. 合っていない靴、きつい下着はつけない
皮膚のセンサーをきちんと機能させるためにも、合っていないハイヒール、きつい下着などはやめましょう。

特にきついガードルは太ももの付け根にあるリンパ節というところを圧迫しますのでNGです。
 

冷えないカラダをつくる9つのルール【運動習慣のコツ】

7. まめにカラダを動かす
運動すると血流がよくなります。1駅歩く、階段をつかうなどちょっと気をつけるだけでもだいぶ違います。また同じ体勢をとっていると血流が悪くなるので1時間に一回は姿勢を変えるようにしましょう。足を組むクセのある人はできるだけ組まないようにしたほうがベター。

運動は「無理のないところから」を心がけましょう。たとえば、階段一つをとってみても、階段は上りでも下りでも、平地を歩くエネルギーの約20倍のエネルギーを使うといわれています。長続きさせるほうが重要です。

8. ストレッチ・マッサージ
マッサージ、ストレッチをすると血流が良くなり、皮膚を刺激することによるリラックス効果もあります。また、筋肉がほぐれ疲労改善にも役立ちます。特に腰から足を重点的に。

朝起きた直後、寝る前など時間を決めて、リラックス効果のあるアロマなどを楽しみながらするとより効果的です。

9. お風呂を上手に利用
38~40度のぬるめのお湯に20分から30分くらい、半身浴でつかると体が温まります。疲れていてもシャワーよりお風呂につかるようにしましょう。お風呂のなかでストレッチもいいですね。

十分温まってから手足にシャワーで水をかけて、またお湯につかるという「温冷浴」も血行改善にオススメです。市販の入浴剤も湯冷めしにくくなります。入浴剤の代わりに、お酒、お酢をいれても良いでしょう。皮膚の活動を活発にするなど新陳代謝を促す効果があると言われ、家庭なら500ml(コップ2~3杯)くらいが目安です。
 
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