自分が口にしている脂の種類を意識したことはありますか?
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今回は、ご自身が普段口にされている脂について関心を持ってもらうために、植物性油脂から生成されるトランス型脂肪酸の健康に及ぼす影響についてお話をしようと思います。
普段の食生活に深く浸透するトランス型脂肪酸!
皆さんはトランス型脂肪酸という脂肪酸をご存知でしょうか?耳にしたことが無かったとしても、普段の生活で摂取されていると思います。例えば、家庭でも天ぷらや豚カツを植物性油で揚げた時など、植物性油のような不飽和脂肪酸を多く含む油を加熱処理した時に生成されます。
他に、
などの食材にも含まれています。
食材を想像してみるだけでも、私達の生活に深く浸透していそうなトランス型脂肪酸ですが、実は、天然にはほとんど存在していない脂肪酸で、健康に及ぼす影響について少し考えていただきたいのです。
トランス型脂肪酸は花粉症やアトピー性皮膚炎にも関係します
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私達の体を構成する細胞膜の脂肪酸は、免疫学的には炎症や免疫を促進(抑制)する局所ホルモンであるプロスタグランジン系の元となります。ところが、今回ご紹介したトランス型脂肪酸は生体内でプロスタグランジン系を作る元として使うことができません。そのためにトランス型脂肪酸を含む細胞膜は局所での炎症反応の調節に障害が起きる可能性があります。
なので、花粉症の症状にプロスタグランジン系が明らかに関係している人は、トランス型脂肪酸の摂取は控えた方が懸命です。
もし、皮膚の細胞膜がトランス型脂肪酸を多く含むと、生体を構成する細胞膜が不安定になるために、外部からの刺激に弱くなる可能性があります。そのためにマーガリンの摂取量とアトピー性皮膚炎との関係も示唆されています。
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