100円ショップ「ザ・ダイソー」の矢野社長のメッセージを考察してみよう。
「話すことが苦手で、広島から東京までの新幹線で、何度も引き返したくなりました」開口一番こう話し、本当に話しベタでおどおどしながら、でも一生懸命自分の苦労を語ってくれたのは、100円ショップ「ザ・ダイソー」を全国に店舗展開する大創産業の社長、矢野博丈さんだ。
ダイソーの2004年度の売上は3,200億円。国内2,400店舗・海外350店舗。一日の売上は8億を超え、広島では中国電力に次ぐ第2位の会社に成長した。矢野さんはさらに(社)ニュービジネス協議会のニュービジネス大賞「優秀賞」、ベンチャー・オブ・ザ・イヤー(株式未公開部門)を受賞し、今やベンチャー企業のリーダー的存在。「大創産業」という社名は知らない学生はいるかもしれないけど、100円ショップ「ザ・ダイソー」を知らない学生はいないだろう。
でも矢野さんはソフトバンク、楽天、ライブドアの社長の方々のように堂々としているわけではない。失礼かもしれないけど、場末の一杯飲み屋でネクタイ緩めて日本酒をすすっているような、普通のおじさんだ。そんな矢野さん自身もこう話す。
「私はどうしようもないただのオッサンです。欠点は数え切れません。長所は、根が明るいこと、健康なこと、よく働くことです」
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ただのオッサンが、なぜベンチャーの雄になり得たのか。
それは高学歴でも天性の才能でもない「何か」であることは確かだ。
その「何か」を一緒に考えながら、最後にみなさんの就職活動自体に、なぞらえてみよう。
※次のページで、ダイソーが生まれるために必要だった「試練」を紐解いてみる!