11月2日とあと1ヶ月を切った2004年アメリカ大統領選。今回も前回同様大接戦のようですが、「世界の権力者」アメリカ大統領がどうやって決まるか、きちんと知っておくことも重要でしょう。解説してみました。
1ページ目 【民主・共和両党の候補者を決める長いマラソンレース】
2ページ目 【一般国民は直接大統領候補を選んでいるわけではない?!】
3ページ目 【現代になってもなぜに続く大統領選挙人制度】
【民主・共和両党の候補者を決める長いマラソンレース】
各党の予備選で大統領候補を決める
アメリカは、国会議員の99%が共和・民主の両二大政党に所属する典型的な二大政党制の国家です。そこでまずは、両党がそれぞれの推す大統領候補を決めるところから、アメリカ大統領選はスタートします。この大統領候補を決めるのが州ごとに行われる「予備選」です。ただし、アイオワ州・ノースダコタ州などは「党員集会」による合議によって決まります。
この予備選の期間が、実に長いのです。1月から6月中旬まで、各州でばらばらと行われます。この間、票をとれない候補者、票がとれないから選挙資金が調達できない候補者たちは次々と脱落していきます。まさにサバイバルレースです。
共和党員でも民主党予備選に参加できる?
多くの州では、「クローズド・プライマリー」といって、民主党の予備選には民主党員のみ参加、というふうにその党の予備選はその党員しか参加できないことになっています。しかし、「オープン・プライマリー」つまり、他の党員や無所属の人も参加できる予備選が行われている州があるのです。ウィスコン州・ルイジアナ州など15くらいの州がこの方式をとっています。
ここは無党派層も投票するため、候補にとっては力量が試される正念場といえます。また、他の政党員が「弱い候補」に投票して勝たせようとする行為に出ることもあるそうです。
予備選の結果はどう反映される?
予備選の結果の反映方法は、民主・共和両党によって異なります。民主党の場合は、候補者は得票率に応じて、全国大会に出て実際に候補者を決める代議員を獲得できます。50人代議員がいる州で、ある候補が50%の得票を得れば、その候補は25人代議員を獲得します。
つまり、全国大会で自分の票に50票加算されることと同じことになるわけですね。
一方、共和党では「勝者総取り」方式が一般的です。一位の候補がその州の代議員すべてを獲得し、自分の票にしていくわけですね。
こうして、各候補とも、予備選レースのなかで、自分の票を積み上げていくわけです。
「スーパーチューズデイ」とは?
このように長丁場の予備選レースですが、そのなかで大きなヤマ場を迎えるのが「スーパーチューズデイ」です。これは、両党の予備選が集中する日で、今年は3月2日でした。今年も11の州、しかもカリフォルニアやニューヨークなど人口が多くて代議員の多い州の予備選が集中していました。
この「スーパーチューズデイ」、今年の民主党予備選はケリ-候補の圧勝だったため、ほとんど勝負がついてしまい、早い段階から民主党候補=ケリ-というふうになったわけですね。