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【政治制度で民主性は決まらない】
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中国・北朝鮮は「民主集中制」
中国・北朝鮮や昔のソ連など、社会主義国は民主集中制という形をとっています。これは、社会主義＝労働者みんなで政治をする、ということで、労働者の代表である会議（ロシア語ではこれを「ソビエト」といっていたわけです）に権力が集中しています。したがって、中学でみなさんも習った行政・司法・立法の三権分立はありません。
しかし、その会議も、結局は指導する人が必要となり（というかそういうことになって）、レーニンやスターリン、毛沢東、そしてキム＝ジョンイルなどというそうそうたる独裁者を産んできた体制でもあるわけです。
また、社会主義国はこういった統治システムを「指導」する政党が憲法などで定められているのも特徴です。中国共産党や、朝鮮労働党などがそうです。こういった党が、すべての政治制度の上に立っているのです。キム＝ジョンイルが政府の役職である「国防委員長」より、朝鮮労働党のトップである「総書記」とよばれることが多いのは、そのためです。
民主政治体制の条件とは
議院内閣制や、大統領制であっても、独裁的な政治をしている国はたくさんあります。議院内閣制であっても、小政党の活動が制限されていたり、大統領制であっても、国民の代表であるはずの大統領職を軍がクーデターで奪ってしまい、大統領選挙を軍の圧力で有名無実のものにしてしまったり、そういった例は枚挙に暇がありません。
このように、民主政治の体制の形をとりながらも、実際には独裁的な政治が行われている、こんな体制のことを「権威主義体制」ということがあります。1970年代までのスペインや中南米諸国は、このような体制をとっていました。
また、発展途上国にみられる、経済政策優先のために、民主的な政治を制限している政治体制を「開発独裁」といわれたりします。1980年代半ばまでの韓国、1990年代後半までのインドネシアは、開発独裁の典型的な体制でした。
やはり、政治制度の上っ面をみただけではその国が民主的かどうかは判断できないようです。民主的な政治が行われている条件としては、
（１）三権分立など権力の分立が行われていること
（２）政党活動が基本的に自由であること
（３）言論の自由など、人権がきちんと保障されていること
などが条件になると思われます。特に人権がきちんと保障されていなければ、議院内閣制も大統領制も民主的とはいえません。次回の超基本講座では、人権について、お話していきたいと思います。
