住宅雑誌のベテラン編集者が、住み手の目線から長く暮らせる家を探求します。
北欧好きが、愛用の北欧モノを見せ合うコミュニティ
長期優良住宅・長く暮らせる家
更新日:2004年10月26日
築35年ほどで解体されている家がある一方で、築60年もつとうたわれている家があります。築30年しかもたない家と、その先30年住み続けられる家との違いは?
日本では築25年~築30年で建て替えられている家が多いのが現状です。築30年程度で解体されている家がある一方で、築60年もつとうたわれている家もあります。分岐点となる築30年を迎えたとき、30年しかもたない家と、その先30年住み続けられる家にどんな違いがあるのでしょうか。もしかすると、30年目に気がついても遅いのかもしれませんし、その時点で何とかすれば間に合うのかもしれません。今回は、長持ちする家の秘密について、探っていきたいと思います。
まず、日本の家はなぜ築30年で建て替えられるのでしょうか?
大きな理由は「もともと耐久性がないから」です。もともと60年の耐久性を考えた工法や材料を選んで建築されていないので、築30年程度で寿命がきて、解体せざるをえないということです。これは、悪いことだというより、これまでの日本の住宅は、日本の風土に合わせた家づくりをした結果このような寿命になっただけのことなのです。
また、築20~30年で、住んでいる人の家族構成やライフスタイルが変わってきて、住みにくい家になってしまうことも理由のひとつでしょう。建物の寿命はまだまだあるけれども、間取りが暮らしに合わない、設備などが使いにくいなど、ずっと我慢して生活し続けるのはイヤだからという理由で解体してしまうというパターンです。
![]() |
| せっかく新築した家ですから、耐久性についても期待をもつのが当然ではないでしょうか |
では、どんな家が長持ちする家なのか、長寿命の家の条件をできるだけ、簡単にまとめると、次の2点が重要になってくるといえるでしょう。
●耐久性があること→寿命の長い工法や素材などを厳選して、建てられた家である
例えば、ゴム底の靴と、皮底の靴。価格が安いのはゴム底靴ですが、皮底の靴はかかとがすり減っても交換すればまた履き続けることができます。たとえ履き心地がよくても、気に入っていても、ゴム底の靴は修理することが難しいので、寿命がきたら捨てるしかありません。住まいも、基本的には同様です。長持ちする仕様になっていれば、適切なメンテナンスをしている限り、もの本来の性能は維持できるのです。
●変化に対応できること→家族構成や暮らし方が変化したときに、比較的簡単な工事で住まいを変えることができる
知り合いのTさんご夫妻は、お子さんが結婚されたとき、住まいをリフォームで二世帯住宅にして、同居することにしました。もともとそのようなつもりがあったわけではないそうですが、息子さんご夫婦の申し出により、1階と2階に暮らすことに。その後、お孫さんが生まれ、付かず離れずのほどよい親子関係を築いているそうです。これも、Tさんの家が構造体がしっかりとしていて、リフォームで間取りを大幅に変更できるつくりだったからです。どの家でも基本的には大幅な間取り変更はできるとは思いますが、たくさんの費用をかけたり、耐震性を無視して工事をするのは危険ですよね。
こう見てくると、築35年未満で解体されている家と、築60年もつ家とを比べたとき、築30年の時点で何か大きなことが起きるのではなく、新築当初からある程度、将来は読めることになります。
それでは、新築時にした決断が、30年後に何をもたらすのでしょう。60年もつ家は何がイイのでしょうか?
北欧好きが、愛用の北欧モノを見せ合うコミュニティ