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住宅裁判事件簿:外壁の色で隣人が提訴したら?(2ページ目)

個人住宅はあくまで個人のものですが、個人の家は地域の景観をつくっています。隣家の鮮やかな外壁の色によって不快な環境をつくり出すことも。裁判に訴えられた住人に下された判決とは?

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

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裁判所の判決-外壁の色は他人の利益を害してはいけない。

被害建物に与える影響等を総合すると被害建物の反射光により原告店舗の被る被害の程度は容認程度を著しく超えているとしました。

自己所有建築物の外壁色彩は、所有者が自由に決定できますが、その色や材料により他人の利益を侵害する場合には法律上の制限を受けるのです。これにより裁判所は反射光防止、吹付塗装の実施と90万円の損害賠償請求を容認しました。
参照:日本住宅新聞

参考記事
~家づくりの色彩計画~
ほっとしない家の処方箋-色とイメージの連想ゲーム
ストレスを生み出さない家づくり! 部屋の色が健康に影響する?!


家づくりにもマナーがある!

家は持ち主の要望が最大限取り入れられてしかるべきです。しかし何をしても良いというのでなく、他人に迷惑をかけないというのは原則です。家は地域に属し、地域づくりはその地域住民の手によります。家づくりだけでなく、地域全体が住みよいように地域づくりの視点を考えましょう。

最近設計をしていて思うこと(傾向とトラブル)

個人住宅の設計をしていると以前より打ち合わせる時間が長くなる傾向にあります。つまり施主の要望が多岐にわたり、情報が整理されないまま振り回されていることがあります。

家づくりの質へのこだわりが強くなってきたことは、量的に満たされた今、これから新たな住文化が生まれること意味しています。そこでどんな色や材料、設備にするかなど自分の嗜好や欲望と照らし合わせるわけですが以下の点を忘れないようにしましょう。

・地域の視点
・信頼できる依頼先・施工者探し
・依頼する人との相性


信頼関係が構築しずらい時代でありますが、これからの家づくりは「共創の家づくり」です。施主は自分の考え方をまとめ、設計者はその考え方や意向を理解し、さらなる提案ができるトータルな視点が大事です。そして、まちや地域に寄与していくという視点を忘れないようにしましょう。

参考記事
~家づくりのはじめに~
一緒に夢の家をつくってくれるパートナーは誰? 依頼先を決めるまでに考えること
一戸建て失敗談!パート2 あぁ失敗!意外な落とし穴

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