注文住宅/建築費用・見積りの読み方を知る

住宅コストのしくみを知る!(2ページ目)

コストダウンはいいですが、下げるところを間違えてしまってはせっかくの家も不満に終わってしまいます。建築コストがどうように成り立っているのかを知り、コストダウンの鍵を握ってください。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

家づくりにおいて、あの機器を入れたい・この大型サッシも使いたいと希望を話しているうちはよいのですが、実際に見積りがあがってくると、こんなに高いのかと夢がしぼんでしまうことがあります。そこでどこを落とそうか、あるいはもう1社相見積りを取ろうかなどと提案しています。しかし、実際の見積りの内容をチェックしてもなかなか分かりきれません。設計事務所の設計であればまだ相談の余地がありますが、自社設計施工一貫体制となるとそうはいきません。今までの経験でいえば2割位までの予算オーバーならばなんとか予算内にまとめることができます。それ以上の予算オーバーになると、全面的に設計プランを見直すことも考えられます。

状況によって生じる思わぬコストのために予備費を準備しておく。


基礎工事費新たに土地を求めて新築する場合、地盤の状況がよく分かっていません。地盤の状態が思っていたよりも悪いと、基礎の設計変更や地盤改良などで費用がかさむことがあります。
地盤改良費
電柱移設費敷地の前に電柱が立っていて、例えば出窓の真前、玄関や勝手口のすぐ近く、カーポートの前などプラン上不都合な位置にくることがあります。このような場合、移設のために1本あたり10万~15万円程かかります。
給水工事費一般住宅では給水管の口径は13mmが多いです。これは一軒あたりの蛇口数が7つと想定したものです。ところが近年では各世帯の蛇口の数が増え、口径が不足することがあります。この場合20mmの口径にする必要があり、水道工事費が割増しになります。
測量費隣家との境界が曖昧な場合、土地家屋調査士に依頼し、隣家立会いのもと境界確認をしなければなりません。また敷地境界にブロックやフェンスを設ける場合にも費用がかかります。(折半)
フェンス移設費
追加工事費現場に入っている職人に直接変更を頼んだ場合、工事終了後の追加金額を見てびっくりすることが多々あります。変更箇所を現場でやりとりしているとどのくらい追加工事が出ているのか把握できない状況になりがちです。
ゴミ処分費建て替えの場合は解体費用が発生します。解体費の見積りに含まれるのは建築本体の解体と廃材の処分です。家具や家財道具が残っている場合、追加費用が発生します。


一般にコストダウンは機器の変更や仕上材の変更が主な対象で、人件費は下がりません。近年の安い家の要因は流通によることが多いようです。さらに安定的に仕事がある工務店などでは職人の人件費を多少下げているようです。しかしこれにも限度があります。近年は坪単価がびっくりするくらい安い家を見ますが、あまり坪単価にばかり目を配るのはよくありません。安さの裏側を疑ってみる必要があります。大切なのは、どれだけ長持ちする家で、自分達家族の求める家であるかを見極めることです。


リンク集
家づくりの本音!たしかな目を養おう!
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