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ヒートアイランド・東京の熱帯夜

猛暑続きだった2004年の夏。ヒートアイランド現象という言葉を耳にする機会も多かったのでは?そこで大都市の「最低気温」に焦点をあてて調べてみるとともに、都市部で住宅を選ぶ際のポイントを考えてみました。

執筆者:平野 雅之


以下の記事は2004年の夏を振り返ったものですが、今年の8月の平均気温は2004年を上回る可能性もあるのだそうです。さて、どうなりますか・・・。
(2007/8/10)



〔ヒートアイランド化した都心の夜は深刻〕

今年 (2004年) の夏はとにかく暑かったですね。東京・大手町では7月20日に観測史上最高の39.5度を記録しましたが、後日、東京都環境局 (東京都環境科学研究所) が発表したデータ (23区内106地点で調査) によれば、同日の都内最高気温は足立区江北で、なんと42.7度! (午後1時40分) 。さらに午後1時現在で40度を超えていたのが、足立区、荒川区、渋谷区、新宿区、墨田区の5区8地点 (時刻を統一せずに各地点の最高気温を記録したものでは、40度超が12区28地点) でした。舗装道路による照り返しが強い都心のオフィス街などでは、おそらく軒並み40度を超えていたことでしょう。

真夏日 (最高気温30度以上) も東京では連続40日間 (7月6日~8月14日) の最長記録となりましたが、東京以外にも全国各地で連続30日以上を記録したところが多かったようですね。異常な猛暑もピークを過ぎ、ようやく残暑も和らいできた感もありますが、まだまだ暑い日もありそうです。

ヒートアイランド現象は日常生活のエアコン使用も大きな原因!猛暑の原因として 「ヒートアイランド現象」 の進行が指摘されていますが、東京では過去100年間で平均気温が約3度上昇しているのだそうです。二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスによる地球温暖化も深刻ですが、日本の都市部におけるヒートアイランド現象も、普段の生活で実感できるぶん、さらに深刻な状況ですね。

昼間の猛暑・酷暑もたいへんですが、さらに問題なのは熱帯夜 (最低気温25度以上) 。最高気温を記録した7月20日の夜から翌21日朝までの最低気温は、23区のほぼ全域で29度を超え、特に都心部から沿岸部にかけての広いエリアでは30度を超えていたようです。中央区勝どきでは最低気温が31.1度だったとか。窓を開けても暑いし、エアコンや扇風機をつけっ放しにしたら体に悪いし・・・寝苦しい夜が続き、体調を崩した人も多かったのではないでしょうか。でも、本物の “熱帯の夜” は気温も下がり、カラッとして過ごしやすいところが多いのだそうです。

ヒートアイランド現象にはエアコンによる排熱も影響しているということですから、東京では都心回帰の進行で新築マンションの供給ラッシュが続いていることも無関係ではないでしょう。そこで今回は都市の最低気温に注目。気象庁発表によるデータを基に各都市の “最低気温” を比較してみました。

【ヒートアイランド現象とは?】
ヒートアイランド現象とは、都市化による地表面被覆の人工化 (建物やアスファルト舗装面などの増加) やエネルギー消費に伴う人工排熱 (建物空調や自動車の走行、工場の生産活動などに伴う排熱) の増加により、地表面の熱収支が変化して引き起こされる熱大気汚染であり、都心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象をいいます。
環境省環境管理局大気生活環境室 「ヒートアイランド現象による環境影響に関する調査報告書 (概要) 」 より原文のまま引用)


大都市の夜は沖縄よりも暑い!?


次に示すのは気象庁 「電子閲覧室」 で得たデータを基に、今年7月1日から8月20日までの各都市における最低気温をグラフ化したものです。東京 (以下すべて気象庁による観測地点名) はかなり変動が大きいのですが、東京だけでなく大阪や福岡でも、那覇の最低気温を超える日が多くなっている様子が分かります。とりわけ7月20日夜の東京における最低気温の突出ぶりは異常です。

《東京以西主要都市の最低気温 2004/7/1~8/20》

東京湾に白い砂浜が広がり、透明度が高くて珊瑚礁も豊富であればまだ許せますけどね。


都市化の違いで最低気温にも変化が・・・次ページへ



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