パワーポイント(PowerPoint)の使い方/表やグラフの操作

背景の写真と立体的な棒で魅せるグラフ

プレゼンで聞き手の注目を集めるには、グラフを作成しただけでは不十分です。グラフのイメージを描きたてる写真や立体感のある棒を使って魅力的なグラフを作ります。

井上 香緒里

執筆者:井上 香緒里

パワーポイントの使い方ガイド

グラフは、数値の大きさや推移を棒の高さや線の傾き具合などで示すため、瞬時に数値全体の傾向を理解できるという特徴があります。

ただし、プレゼンで使うグラフは、”ただそこにグラフがある”というだけでは聞き手の注目を集めることができません。「なんだろう?」と興味を持ってもらうためには、”魅せるグラフ”に加工する手間が必要です。

下のグラフをご覧ください。これは、PowerPointに付属する「Microsoft Graph」を使って作成した直後のグラフです。必要最小限のデータをグラフ化しており、大変シンプルでわかりやすいですが、プレゼン用のグラフとしては、少しインパクトに欠け、物足りなさを感じます。
グラフの色は、スライドに適用しているデザインによって自動的に決まる

では、同じグラフをこのように加工したらどうでしょうか? ぐんと魅力的なグラフに生まれ変わりましたよね。
背景に写真を敷き、棒の色や太さを改良。さらに棒にグラデーションを設定して立体感を演出した

同じグラフでも見せ方次第で、聞き手に与えるインパクトは大きな差があります。そこで「魅せるグラフ」シリーズの第1回目は、グラフの背景に写真を使う方法と、棒グラフの棒に立体感を出す方法を解説します。

写真を事前にパソコンに保存しておく


まず、グラフの背景に写真を敷いてみましょう。

使う写真は、グラフで伝えたい内容に合ったものを選びます。ここでは、Office製品に付属する「クリップアート」から写真を検索してパソコンに保存しましたが、自分で撮影した写真やWEBサイトからダウンロードした写真を使ってもよいでしょう。いずれの場合も、事前に写真をパソコンに保存しておく必要があります。

写真の準備ができたら、スライド上のグラフをダブルクリックして、グラフを編集できる状態に切り替えます。
ここでは「Microsoft Graph」を使って作成したグラフを使う

グラフのまわりに斜線の枠が付き、グラフの元になる「データシート」が表示されれば準備完了です。
グラフの編集状態では、ツールバーがグラフ用に自動的に切り替わる



プロットエリアを写真で塗りつぶす


グラフは「タイトル」「凡例」「系列」など、いくつもの部品で構成されており、どの部品に写真を設定するのかを最初に指定します。ここでは、グラフの真後ろに写真を表示したいので、「プロットエリア」と表示される部品をダブルクリックします。
マウスポインタを合わせると、グラフの各部品の名称が表示される

「プロットエリアの書式設定」ダイアログボックスが表示されたら、「塗りつぶし効果」ボタンをクリックします。
「領域」で色を設定すると、グラフの背景を単色で塗りつぶすこともできる

続いて表示される「塗りつぶし効果」ダイアログボックスの「図」タブで、「図の選択」ボタンをクリックします。
写真をグラフの背景に使うときは「図」タブを使う

「図の選択」ダイアログボックスで、保存しておいた写真を選択し、「挿入」ボタンをクリックします。
写真の保存先とファイル名を指定する

「塗りつぶし効果」ダイアログボックスに戻ったら「OK」ボタンをクリックし、続いて「プロットエリアの書式設定」ダイアログボックスに戻ったらもう一度「OK」ボタンをクリックします。これで、グラフの背景に指定した写真が表示されたことが確認できます。
写真の色を薄くして使いたいときは、事前に「図」ツールバーの「明るさ」ボタンを使って「ウォッシュアウト」に変更しておくとよい


グラデーションで立体感を演出


このままでは、写真の色合いと棒の色がちぐはぐな印象です。4本の棒の色を変更し、同時に縦方向のグラデーションを設定して棒を立体的に見えるようにしてみましょう。

4本の棒のいずれかをダブルクリックします。
どの棒の中をダブルクリックしてもかまわない

「データ系列の書式設定」ダイアログボックスが表示されたら、「パターン」タブの「輪郭」を「なし」に変更し、「領域」で棒の色を選択します。続けて「塗りつぶし効果」ボタンをクリックします。
「輪郭」を「なし」にすると、まわりの黒い枠線が取れて自然な印象になる

「塗りつぶし効果」ダイアログボックスの「グラデーション」タブで、「グラデーションの種類」を「縦」、「バリエーション」の右下を選択して「OK」ボタンをクリックします。
両外側の色が濃いグラデーションを選ぶと、図形を立体的に見せることができる

「データ系列の書式設定」ダイアログボックスに戻ったら「OK」ボタンをクリックします。これで、4本の棒の色が変わり、2-Dグラフでありながら、棒の中央部が膨らんで立体的に見えるようになりました。
グラフ全体に奥行きが生まれた


棒の太さを調整


最後に、背景の写真がよく見えるように、棒の太さを若干細く調整します。もう一度、4本の棒のいずれかをダブルクリックして「データ系列の書式設定」ダイアログボックスを開きます。「オプション」タブの「棒の間隔」の数値を大きくすると、棒の太さが細くなります。
下側に表示されるプレビュー画面を見ながら調整しよう

「OK」ボタンをクリックすると、棒の太さが細くなったことが確認できます。
棒と棒の間隔を広げることで、棒の太さが細くなる

さあ、これでグラフは完成です。スライドのグラフ以外の部分をクリックして、グラフの編集状態を終了します。
グラフをダブルクリックすると、何度でも編集できる

少し手を加えるだけで、普通の棒グラフが魅力的なグラフに生まれ変わります。プレゼンで聞き手の心をぐっとつかむには、こういったひと手間を惜しまないことです。

PowerPoint2007での操作の違いを確認しておきましょう
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