飲み比べる面白味
久しぶりに男は読むな!の記事を発信する。最近、バーで顔見知りとなった何人かの女性たちの中で、ウイスキーと上手に付き合っている人たちがいる。今回はそんな彼女たちがどんなシングルモルトを飲んでいるかを伝えよう。
ちょっと試してみたいと思ってはいるが、何を飲んでいいかわからないという女性たちの参考になればいい。
フルーティでやや甘口のオーヘントッシャン。すっきりとした後口が愉しめる。 |
その前に、シングルモルトウイスキーって何だ、ってのを簡単に説明しておく。
ウイスキーの原酒にはモルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒ってのがあって、モルトウイスキーは大麦麦芽(発芽させた大麦/malt)だけを原料としてつくる。そしてひとつの蒸溜所だけでつくられ製品化されたものをシングルモルトウイスキーと呼ぶ。
グレーンウイスキーはとうもろこしや小麦を主原料に、麦芽を一部用いてつくられたもの。これは主にモルトウイスキーとブレンドされ、ブレンデッドウイスキーと呼ばれるものになる。
で、シングルモルトってのは蒸溜所のつくり込みや環境から生まれる香りや味の個性が、ガツンとダイレクトに伝わってくるウイスキー。モルトウイスキーが人気を得ているのは、いろんな蒸溜所の個性を堪能でき、飲み比べる面白味があるからだ。
口当たりのよい、シングルモルト
さて、本題の女性たちのシングルモルト。まずは20代後半の女性。彼女はよくオーヘントッシャン10年をストレートで嘗めている。フルーティでやや甘口、すっきりとした後口のミディアムボディだ。
「飲みやすくて、おいしいじゃん」と彼女は言う。確かに。通常は2回蒸溜だが、このウイスキーは3回蒸溜することにより、極めて爽やかな香りと軽やかな旨味を生み出している。
彼女は酒はあまり強くないが、「タフな優しさが好きだから」とウイスキーを好んでいる。はじめて飲んだシングルモルトはピート香の重厚なラガヴーリン。彼氏が飲んでいたのでひと口試してみたら、その強烈さに「なんじゃ、こりゃ」とひっくり返りそうになった。
そこから飲みやすさ、口当たりのよさを求めていったら、オーヘントッシャンにたどり着いたという。
次は、私に影響を受けたという女性の話。(次ページへつづく)