カフェ/カフェごはんを作る

サンフランシスコ消防署のサーモン料理(2ページ目)

アメリカの消防署では、キッチンで料理当番の消防士たちがおいしい“家庭料理”に腕をふるいます。無数の物語のつまった消防署レシピブックから、アメリカ料理研究家なかがわさんに1品を作っていただきました。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

どのレシピにも、消防士たちの物語があります

『FIREHOUSE FOOD COOKING WITH SAN FRANCISCO'S FIREFIGHTERS』で紹介されているどのレシピにも、消防署の伝統と、お料理にまつわる人々の物語がありました。

消防士はアメリカではヒーロー的存在。人気の高い憧れの職業で、消防士のポストに就くのは大変な競争率だそう。親子三代で消防士という家族もあり、彼らは自分の仕事に大きな誇りを抱いています。

美食レストランの多さでも有名なフードタウン、サンフランシスコの消防署には、アメリカ人もいれば、メキシコ人、アジア人、イタリア人もいます。彼らが作るまかないごはんは、その日の料理当番の故国の“おふくろの味”とカリフォルニアのテイストがミックスしたものになります。

消防署ごとにオリジナル・シーザーサラダが

春には(消防署のテーブルには)、プロシュートの巻かれたアスパラガス、それとサンフランシスコ名物のシチューがともに出され、殻つきのダンジネスクラブもしくはタイ料理のバジルをあしらったココナツチキン、ジャスミンライス添えなどが出てくる。

深い霧に包まれる秋や初冬の夜には、心のこもったパエリア、それも貝がのっていたり、カリカリに皮を焼いたチキン、ローズマリーとにんにく風味のチキンに小さな赤いポテトをフレッシュミントと一緒にローストしたものが付け合わせになって出てきたりするのだ。

サンフランシスコのどの消防署にも、オリジナルなシーザーサラダがあり、ユニークな食事の伝統がある。
ゴールデンゲートにある12分署では、食事のたびにテーブルクロスとキャンドルが1年365日を通して用意される。
ポトレノヒルの29分署では、古めかしいオーブンに消防自動車の赤のエナメルが塗られ、ピカピカのブラスのトリミングがほどこされている。それも消防自動車と同じ工場で作られたものだ。
消防艇の35分署では、オイルドラム缶で作る鶏肉料理が有名である。

『FIREHOUSE FOOD COOKING
WITH SAN FRANCISCO'S FIREFIGHTERS』 より
(訳:なかがわかずこ)

▼本の中から1品のレシピをご紹介します。

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