ワイン/特別な日の高級ワイン

サクラ咲く今、このワインを味わって考える

今年もサクラが咲き、美しい姿を見せる。花見で賑やかに飲むのもいいが、この時期味わってみて欲しいワインがある。気になるエピソードも一緒に……

執筆者:橋本 伸彦


日本のサクラの季節をイメージ

春にちなんで、サクラをラベルに載せたワインを採り上げる。まずはドメーヌ・シュヴロ。ブルゴーニュはコートドールのメランジュという地域で1798年からワインを造っているというシュヴロ家の家族経営で、1973年から当主となったフェルナン・シュヴロ氏が引退し、長男パブロそして弟のヴァンサンにドメーヌが引き継がれた。パブロ氏が妻のかおりさんから日本のサクラが咲く季節の話を聞いて、そのイメージで造ることを決めたのがキュヴェ『サクラ』である。

ロゼワイン『サクラ』のラベル画像
初ヴィンテージは2005年。同じデザインで2006年もリリース

シュヴロ夫妻
かおりさんは航空会社の客室乗務員からボルドー大学・ブルゴーニュ大学で学び、現在シュヴロの輸出業務を担当している。パブロさんはディジョンのブルゴーニュ大学で生物学、ボルドー大学で醸造を学んだ。「雑草は土壌のバロメーター」「畑の下草はブドウ樹と根が接することで相互作用する」「ブドウ畑は一種の森林」といった発想で、有機栽培を実践している。馬による畑の耕作も一部の畑で行っているが、土壌を固めてしまうトラクターよりも良い結果が得られるそうだ。

昨年末、夫妻の来日時に2005年のロゼを試した。まだ若々しいワインはさらりと淡い味わいの第一印象から、柔かくふくらみのある熟したイチゴのような果実味へとつながる。風味全体としてはふくよかながら辛口で、ナシのような香りとミネラル感がほのかに残って楽しめた。ロゼ用にブドウを栽培して、醸造もフレッシュさを出すような工夫をしている。かおりさんによると「2006年は、猛暑の後に雨が続き、ドメーヌの実力の差がはっきりと出るヴィンテージ」で、2006年のサクラは「溢れる果実味とはっきりとした酸味、そしてボリューム」があるという。花見に、そして晴れた日のヘルシーなランチなどに、持って来いである。

サーモンピンクの色が鮮やか
■ ヴィンテージ(収穫年)  
  2006年
■ キュヴェ (ワイン名)
  Sakura (サクラ)
■ ブドウ (品種名) 
  ピノ・ノワール 100%
■ スタイル  
  ロゼワイン
■ ワイナリー (生産者名)
  Domaine Chevrot (ドメーヌ・シュヴロ)
■ ブドウの産地 (地域名) 
  Merange (メランジュ)
■ 地方名  
  Bourgogne (ブルゴーニュ)
■ 生産国  
  フランス
■ 輸入元  
  オーレジャパン
■ 参考小売価格(税込)  
  ¥2,888


次はある事件にちなむ「サクラ」を紹介!!>>
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