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更新日:2009年01月22日

フードフランスはオーヴェルニュ地方から

中世の雰囲気漂うオーヴェルニュ地方の街からやってきたフランソワ・ガニエール夫妻。伝統的な街で繰り出す地元の食材を使ったガストロノミーはぐいぐいとゲストのハートに迫ってくる。

オーヴェルニュからやってきたシェフ、フランソワ・ガニエール氏はちょっといたずらっ子で、お皿の中を楽しくさせることが大好きなのだろう。鴨のフォアグラのコンフィやホタテのポテといった伝統的な郷土料理もちょっとしたユニークなアイデアに思わず和まされてしまう。是非とも実際に体験していただきたいので、どんなアイデアが盛り込まれているのかはここでは秘密にしておきたい。

真鰯のマリネは鰯の缶詰をイメージして盛り付けられている。鰯の缶詰を開けた状態が想定されていて、パイ生地で作られた長方形の缶詰の中につやつやの鰯が盛られている。
料理を立体的に表現するところにクリエイティビティが感じられる。

 ディナーのメインディッシュは目鯛のポワレか、仔牛のローストのどちらか。目鯛のポワレはソースに加えて金柑のペーストをつけていただくのだが、レモンより穏やかでほのかに甘酸っぱくやさしい一皿。シェフの遊び心が気になるという方には仔牛のローストがおすすめだ。一緒に供されるイカのファルシを見逃さないでほしい。「あっ!」と思わず笑みがこぼれる。何でこんなこと考え付くのだろうか。

このコースの中で最も印象に残ったのはアミューズのガスパチョだ。レンズ豆のペースト、貝の出汁、ミルクにシェリーを加えたスープにレンズ豆、ドライフルーツに何と1センチ四方ぐらいにカットされたあるものが少し入っている。それは圧倒的に主張しているのに全体は見事なバランス、おいしい。シェフ曰く、レンズ豆は地元の有名食材であり、ガスパチョは元々スペインの料理であるからシェリーを使い、あるものは日本に対する敬意を込めてとのこと。

 食事の後のインタビューでシェフは最初に「料理は愛情だ。人を愛する、人を大事にすることが大切なんだ」と言った。ちょっといたずらをしてゲストを思わず微笑ませる、海外の食材を取り入れて調和させるといったことがシェフの愛情表現なのだろう。今回のフード・フランスはシェフの人柄あふれる、とても楽しく穏やかな料理であった。
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嶋 啓祐

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