売り方が、ゲームの中身を決めている(3ページ目)

オンラインでゲームを売るとどうなる？

7人の人気ミステリー作家がそれぞれのシナリオを担当し、その謎に挑戦するアドベンチャーTRICK×LOGIC。シナリオごとに販売する手法は、オンラインならではですね。（イラスト 橋本モチチ）最後に、オンラインダウンロード販売についてのお話を少ししたいと思います。コンシューマーゲーム業界でも開発費の高騰などによりパッケージでの店頭販売に変わるビジネスモデルとして、オンラインダウンロードによるゲーム販売が模索されています。

ちょっと面白い売り方をしているゲームを紹介しましょう。チュンソフトが開発し、ソニー・コンピュータエンタテインメントからPSP用ソフトとして発売されたTRICK×LOGIC。これは、推理もののアドベンチャーゲームで、各シナリオは推理編と解決編に分かれています。そしてまず、1話から4話と、5話の推理編までがTRICK×LOGIC Season1として2010年7月22日に発売。これはパッケージ版とダウンロード版の両方があります。そして、5話の解決編から、10話までが毎週オンラインダウンロードで1話ずつ販売されます。そして2010年9月16日に5話から10話までをまとめたTRICK×LOGIC Season2がパッケージのみで発売されると、こういう仕組みになっています。

テレビドラマのように毎週シナリオが配信されるというのは、オンライン販売の特性を上手く利用しています。オンラインダウンロードが普及していく過程には、こういうチャレンジがあって、失敗したり、成功したりしながら、徐々に今までのパッケージソフトとは違う角度のゲームができていくのかもしれません。

iPhoneやiPod touchのように低価格かつボリュームの小さなゲームが大量にリリースされるのか、アイドルマスターシリーズのように追加コンテンツの拡販を狙ったゲームが成功するのか、はたまたTRICK×LOGICのように今まで1つだったコンテンツが分割して売れる構造のゲームが作られるのか。いずれにしろ、コンシューマーゲーム業界がオンラインダウンロードでゲームを売っていく、その比率を高めていこうとするなら、自然とコンテンツにも変化がもたらされます。

2009年11月1日には、オンラインダウンロードでしかソフトを購入できない携帯ハード、psp goが発売されました。ニンテンドーDSの次世代機、ニンテンドー3DSは通信機能をかなり強化してきそうです。各社オンラインに力を入れていることは間違いありません。それによって、ゲーム自体も、大きく変わっていくかもしれません。

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