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ドラクエ9は500万本を狙えるか(2ページ目)

いよいよ発売が近づいてきたドラゴンクエスト9。携帯ハードであるニンテンドーDSでいままで以上の売上げを残すことができるでしょうか? スクウェア・エニックスの戦略を考察します。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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スクウェア・エニックスがしてきたファミリー戦略

ゲームの話をする子供達の図
きっと今のお父さん達は、ラーの鏡という言葉が出てきただけでも、即座にその効果を説明することができますよね
ドラゴンクエスト9をDSで販売するにあたって、おそらくは意図的にスクウェア・エニックスが行ってきた戦略があります。それが、ファミリー向けの戦略。冒頭でお話したドラクエ3の行列、ここに並んでいた小学生というのは、今や20代後半から30代前半になります。

そうなると彼ら、彼女らには子供が生まれている可能性も高いわけです。というような状況で、ポケモンが好きな子供達にも、ファミコンで育ったお父さんお母さんにもアピールできるDSというハードにおいて、ファミリーを狙うのは最高の戦略かもしれません。

子供達には、ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカーや、スライムもりもりドラゴンクエスト2などを、そしてファミコン世代の大人には、ドラゴンクエスト4やドラゴンクエスト5などのリメイクをDSで次々リリース。そして極めつけは2008年末に最新作が稼動したドラゴンクエストモンスターバトルロード2。これは子供にせがまれて一緒に遊んだお父さんが、懐かしくなること間違いなし。スペシャルカードで登場するドラクエ4の勇者達がミナデインを放つところなど、ワクワクせずにはいられません。

兄弟で遊ぶなら2本いるよね。お父さんもプレイするならもう1本。

プレゼンする堀井雄二氏の図
スクウェア・エニックスが開催した発表会では、マルチプレイ部分をゲームデザイナーの堀井雄二氏自らがプレイしてアピールしました
2008年12月10日に新宿で行われたドラゴンクエスト関連の発表会で、スクウェア・エニックスの方に伺った時も、是非親子で遊んでもらって、かつての勇者であったお父さん達は「あいつは火の魔法に弱い」なんて風に子供さん達に教えてあげて欲しい、とのことで、ばっちりファミリーを意識していました。

子供達と、その両親と、両方へアピールして、なおかつ幅広い年齢層がプレイするハードであるDSでの最新作。そして極めつけはマルチプレイです。このマルチプレイのデキ、そして仕様次第では、友達とDSを持ち寄ってドラクエ9をするという遊び方はもちろん、兄弟で一緒に冒険、あるいはお父さんに冒険を手伝ってもらう、なんてこともあるかもしれません。

そうなった時は、今まで家族に1本だったドラゴンクエストが、ドラクエ9では1人1本になる可能性があります。DSという圧倒的普及を誇るハード、子供達に対するアピール、大人達に対するアピール、そしてそれらを繋ぐマルチプレイ、この4つが綺麗にはまると、300万本が500万本になることは、非現実的では決してないように思います。

最後は、スクウェア・エニックスが築いた戦略に、任天堂が最高のサポートを加えます。
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