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国内・海外の2004年野球トピックス 「2004年の野球十大ニュース」(2ページ目)

日本プロ野球に激震が走った2004年。この1年を振り返り、野球界の十大ニュースをランキング化してみました。国内編と海外編に分けたランキング、ぜひご覧ください。

執筆者:コモエスタ 坂本

野球二十大ニュース国内編 その2

■11位 堀江ライブドア社長、近鉄買収に名乗り

新興IT企業のライブドアは、オリックス・近鉄合併発表後の6月に近鉄球団の買収に名乗りをあげた。その後も球界再編問題にかこつけ、一躍メディアの寵児となる。

典型的な「壊し屋」の堀江社長、リストラ上手かもしれないが、育成や存続の方法論には疑問がつきまとう。「金で買えないものはない」そうだが、球団買収や新規参入できなかったのは、果たしてその言葉が正しくないのか、はたまた金が足りなかったのか。

■12位 四国独立リーグなど、独立リーグ構想相次ぐ

元オリックス監督の石毛氏が四国独立リーグ構想を、元阪神の江本氏が東北を中心とした日本独立リーグ構想を相次いで発表した。

四国独立リーグはすでに2005年4月開幕に向けて選手選考などを進めており、また日本独立リーグは2006年スタートを予定している。独立リーグは日本プロ野球(NPB)よりむしろ社会人野球と拮抗する存在なのだが、社会人名門チームからも選手が続々と選考会に登場し、プレーヤーの受け皿としてはありがたい存在なのかもしれない。しかし、人気と経営問題は未知数である。

■13位 駒大苫小牧、夏の甲子園制覇

強力打線と3投手を擁する、南北海道の駒大苫小牧高校が、春の甲子園優勝校である愛媛・済美高校を決勝戦で倒し、夏の甲子園を制覇した。

優勝旗は「白河の関」越えどころか、津軽海峡を越えてしまったという北海道の高校 よる初の快挙。札幌に移転した北海道日本ハムとあわせて、今年の北海道は野球で盛り上がった。

■14位 ダイエー身売り、ソフトバンクホークス誕生

経営不振による建て直し問題が加速していたダイエーが再生機構入りし、行方が注目されていたダイエーホークスもIT企業ソフトバンクによって買収され、ソフトバンク・ホークスが12月に正式に誕生した。

新規参入問題で争っていた楽天・ライブドアを尻目に、老舗IT企業のソフトバンクが漁夫の利を得たにも似た格好だが、孫社長がどこまで波風の立たない存在でいられるだろうか。今のところは猫をかぶっているようで、ニュースとしても他の事件の影に隠れているような感がある。

■15位 北海道日本ハム始動、パ・リーグに旋風

本拠地を札幌ドームに移し、移転効果とプレーオフ目標で見事シーズン3位を達成した北海道日本ハム。プレーオフ第一ステージでは、惜しくも西武ライオンズに敗れる。

日本ハムの中で、やはり新庄の存在は目立った。マスコミの記事を作ってくれる男であり、また過去最高の成績を残した。忘れられないのは、オールスター戦での新庄のホームスチールと、その後の名言「これからはパ・リーグです」だろう。

■16位 ホークス松中、18年ぶりの三冠王

ダイエーホークスの松中は、打率.358、44本塁打、120打点でパ・リーグの三冠王を達成した。1986年の阪神・バース、ロッテ・落合以来18年ぶりの快挙。

と、華々しい個人記録の割にはこれも他のニュースに隠れてしまった。また、今年の三冠王は松中にとってかなりラッキーな面もある。本塁打のライバル、カブレラが春期欠場していたこと、同僚の城島がアテネに優先選考されたために、五輪経験者である松中がアテネにいかずに済んだこと、アテネ組の成績が伸びなかったことなどだ。しかし、今年から酒断ちをした松中の肉体改造が功を奏したということにしたい。だったら最初から酒やめてればよかったのに。

■17位 明大・一場投手問題

巨人スカウトらからの裏金授与、いわゆる「栄養費問題」が発覚して、自ら明大野球部を退部するとともに、巨人・阪神・横浜のオーナーを辞任に追い込んだ、一場投手。

球界混迷の中、それ以上のお咎めなしで楽天への入団が決まったが、時代が違っていればあの「江川事件」なみの問題になっただろう。一場問題は、プロ・アマ球界の金がらみ体質や、アマ有名選手の純粋培養ぶりや脇の甘さを明らかにしたが、この一場投手というのがまたドラマチックな存在である。このクリスマスイブに「できちゃった婚」で入籍と、その後も話題を提供した。来年は果たして真価を発揮できるのか、それともただのお騒がせ男なのか。

■18位 元ロッテ投手、強盗殺人

元ロッテ投手・コーチの小川博容疑者(42)が12/21、強盗殺人の容疑で逮捕された。

この事件もある意味、今年の球界の流れに沿った話ではある。事件の原因は借金絡みらしいが、純粋培養で育った野球選手の「第二の人生」だが、球界に残れる人はほんのひと握り。うまく立ち回れる人はいいが、そうでない人は過去の栄光を背負うだけの人生になってしまう。また、NPBはJリーグのように、引退後の長い「第二の人生」に対するレクチャリングを全く行っていないのが実情なのだ。

■19位 岩隈、「超法規的」楽天移籍

元近鉄で今年17勝をあげ、パ・リーグ最多勝を獲得した岩隈投手が、合併によるオリックスの残留工作と、楽天移籍希望の間で揺れていたが、12月にオリックスの「超法規的措置」で楽天移籍が実現した。

非常に微妙な問題であるが、結果的にはよかったと言いたい。戦力均衡、という以前に楽天が戦えるチームになるかどうかという点では、岩隈の入団は大きい。そしてこの「超法規的措置」とやらだが、そもそもどういう法規なのかは明確ではない。また、有力選手ならではの態度表明であることにも選手会問題の難しさを感じる。合併問題から一連の流れを見るにつけ、政府の「規制改革議長」であるオリックス・宮内オーナーが、新しいドンになろうとエゴを発揮している様子がうかがえる。ダイエー中内功氏と同じ道が待っているような気がするのだが。

■20位 メッツ松井、開幕先頭打者初球ホームラン

西武ライオンズからニューヨーク・メッツに移籍した松井稼頭央選手は、アトランタ・ブレーブスとの開幕戦、昨季21勝のオルティーズから初球をセンターバックスクリーンに叩き込んだ。松井はこの試合3打数3安打3打点と、鮮烈なメジャーデビューを飾った。

しかしその後は、「失策王」だの「高い買い物」だのと散々な言われようで、ついにはショートからセカンドへコンバートと相成った。明→暗へと大変な一年だったが、結果的には普通レベルのメジャー内野手の成績だ。開幕時の印象があまりにも強烈すぎたのだろうが、今後も普通の選手として活躍するだろう。また、松井稼頭央はメジャーではセカンド向きだと思う。来季が今季よりもよくなることを期待しよう。順応には時間が必要だ。

【野球十大ニュース 海外編】に続く→
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