アート・美術展/アート・美術展関連情報

「読書の秋」に楽しむ芸術書(2ページ目)

アート散策にもってこいのガイドブックから思考を深める新書、旬の情報を取り上げている雑誌まで、秋の夜長に楽しみたいアートな書籍をご紹介します。

執筆者:橋本 誠

世界アーティストサミット

世界アーティストサミット
「世界アーティストサミット」京都造形芸術大学芸術編集研究センター編
2006年/光村推古書院
現代アーティストで京都造形芸術大学国際藝術研究センター教授の宮島達男の企画により、2005年に開催された「世界アーティストサミット」2日間の議論と「宣言文」をまとめた書籍。

この「世界アーティストサミット」は、世界をリードするトップ・アーティストが宮島氏の呼びかけにより京都に集結し、テロ、紛争、食糧危機、環境破壊、人口問題など地球規模の問題にアーティストがどのようにして役立てるかといった非常に難しいテーマの元に行われたものです。

議論を通して見えてくるのはアーティストの発想力の豊かさ。アーティストというのは作品を「つくる」だけでなく、様々なかたちで自らが生きる社会・環境に対してアクションしていること、それ自体がまた表現でもありうるといったことをまざまざと感じさせてくれる内容です。

ムック「ぴあアートワンダーランド」

続いてご紹介するのが「ぴあアートワンダーランド」というムック。

個展から現代までアートの歴史を簡単におさらいできるコーナーにはじまり、主要なアートスポットを紹介したコーナー、近年のアートシーンを象徴するキーワードの解説やインタビューなどが凝縮されています。

2004年発行と情報は少し古いですが、ひと通りの知識を仕入れる最初の1冊としては特におすすめできます。ガイドにとってもなかなか手放せない1冊です。

知識無用の芸術鑑賞

知識無用の芸術鑑賞
「知識無用の芸術鑑賞」川崎昌平
2007年/幻冬舎
最後にご紹介するのは新書。この「知識無用の芸術鑑賞」というタイトルはいかにも典型的なアート鑑賞のススメ的な印象を受けますが、中身は若手アーティストの川崎昌平が書きおろした実験的コラム集です。

オールドマスターからコンテンポラリーまで、著者本人がアート鑑賞する際の思考プロセスを通して知識に捉われない鑑賞方法を促す内容なのですが、その思考の様が実に面白いのです。

例えばロダンの「考える人」を例に挙げて、「わざわざ裸で考えるあたり、余人には想像もつかぬ壮大な計画でも練っているのかも」と分析するなど、川崎節が炸裂。

あえて図版もいっさい掲載していないので、読み手のこちら側も想像力がふくらむ1冊です。

【関連記事】【関連サイト】
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いかがでしたでしょうか。秋の夜長を読書で楽しんでみてくださいね。
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