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血液型本ブームを読む(2)(3ページ目)

勝手に連載企画「血液型本ブームを読む」。第2回はヒットの背景にある血液型カルチャーは、どのようにして定着していったのかを探っていきたいと思います。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

血液型ブームを定着させた2冊

小さな悪魔の背中の窪み―血液型・病気・恋愛の真実 (新潮文庫)
<DATA>タイトル:『小さな悪魔の背中の窪み』出版社:新潮社著者:竹内久美子価格:420円(税込)
なぜ批判されても批判されてもまたブームが起こるのか。

【1】「血は水よりも濃し」という血を重んじる考え方が根強い
【2】ABO式血液型は4タイプだから星占いなどよりもおぼえやすい
【3】出生時に調べて自分の血液型を知っている人が多い

以上の3点がベースになっていると思います。そこにインパクトがある説が登場し、爆発的に流行する。現在の血液型ブームに大きな影響を与えていると思われるのは以下の2冊です。

能見正比古『血液型でわかる相性』夭折した姉から与えられたインスピレーションをきっかけに、人間観察をして、血液型と相性を関連づけた本です。ヒットにつながった一番大きな要因は、人間関係(特に恋愛)への活用を提唱したことと、著名人を例に挙げて解説したこと。ちなみに最初に名前が出てくるのは当時の貴ノ花(花田満)と藤田憲子。B型男性はO型女性に弱いことのモデルとして登場します。この本の反響が大きかったことから、能見氏は読者から膨大なデータを集め、「血液型人間学」を補強していきました。

竹内久美子『小さな悪魔の背中の窪み』能見氏の「血液型人間学」は主に「科学的な根拠がない」という点で批判されました。そこへ登場した新ヒロインが、京都大学で動物行動学を専攻し、リチャード・ドーキンスの利己的遺伝子をキーワードにしたエッセイで注目を集めた著者。ヒットにつながった一番の大きな要因は、血液型と性格を「病気」で結びつけたこと。海外の医学論文などをソースに、血液型によって罹患しやすい病気があり、それが性格に多大な影響を与えているという説を展開しました。

前者は「他者との関係」、後者は「健康」という人間にとって重大な関心事を取り上げたので、広く受け入れられたのです。これらのベストセラーと比較して「自分の解説書」シリーズの特徴は、自分にしか関心がないこと、客観的な根拠にも関心がないこと。だからB型度なんて知るかということになるんですね。

次ページでは、さまざまな血液型本をご紹介します。

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