相対性理論との出会い
先生:雑誌購読傾向からすると、小悪魔というよりも、20代後半のガーリー主義者みたいですね。 で、質問に答えますが、不覚にも相対性理論は最初、聴いていなかったんです。
年末にTVの音楽番組で、たまたま相対性理論の「地獄先生」のPVを見たんです。そこで、ずっきゅんです。看護婦さん達が、喫煙所でシュールにタバコ吸っているやつです。白衣の天使はシケモクまでしているし(笑)。ちょっと悪そうな先輩看護婦さん(でも、本当はいい人)みたいなのは、誰かなと思ったら、その昔はトレンディードラマとかにも出ていた洞口依子なんですね。いいぞ、アンニュイ爆発の洞口さん、かっこいい。歌詞でも、「ねぇ先生」って先生がいっぱい出てくるし。
皆さんは、相対性理論はどの辺から聴き始めたのですか?
小悪魔:
相対性理論はですねー、マイミクさんの日記で激プッシュされててYouTubeの「LOVEずっきゅん」が貼られていて、衝撃を受けて身震いしました。ヤバい!日本でPerfumeとは別口で最重要要注目のギガントヤバスのバンドが出て来た!とつまんない説明しましたが、あのやる気のない(と見せかけてる確信犯っぷり)テレ東の深夜の天気予報と思わせるPVにあの超ド級LOVEずっきゅん!えええええええーーーーー!!!!とLOVEずっきゅんしまくって、速攻でアマゾンで予約。もうあのアルバムは500回位聴いてると思います。無限リピートしてました。うふ。
先生:
「LOVEずっきゅん」のPV・・・でたらめな世界の天気予報が出てくるやつですね。「ンガリ」って何だ!みたいな。調べてみると、チベット高原にある実際の地名ですが・・・。「地獄先生」もそうですが、映像と音楽に何の関連性も見出せません。というか、映像だけで、無声映画のように成り立っている。でも、あの二つが重なると、不思議な世界が生まれているんですよね。
助手:
(急遽、また割り込んできて・・・)いまいち何が最初だったか思い出せないんですが、たぶん『シフォン主義』のリマスター盤が全国流通する前後です。ネット界隈で名前は知ってたんですよ。最初は「なんか盛り上がってるらしい」程度の認識だったんですけど、偶然YouTubeで「LOVEずっきゅん」を見てビックリして。これはまたすごい確信犯が出てきたな、と。それですぐにCDを買いに行きました。そしたらCDに「ポストYouTube時代のポップ・マエストロ」って書いてあるじゃないですか。ますます確信犯だなあって。
研究生:
僕は完全に乗り遅れ組ですね・・・。『シフォン主義』を試聴した時は、「なんやねんこれ!ふざけんな!!」とあっさりスルー。当初は相当な嫌悪感を抱いていました。でもサウンドは嫌いではなかったので、次が出たらまた試聴してみたいとも思っていました。
先生:
研究生も同じく残念な乗り遅れ組みですか~。僕も試聴したんですが、ちゃんと歌詞を聴いていなかったんだと。たぶん、1曲目だから「スマトラ警備隊」。今、聴くと、「~の陰謀よ」とか政治的意図は到底感じられない、シュールかつ大胆な歌詞に反応してもおかしくなかったのにな~と。
研究生:
でも、『ハイファイ新書』を聴いて、印象は180度転換。即購入でした。ただし、初めて買いに行った時はすでに売り切れていたりと、どこまでも乗り遅れているダサい状態です。
中毒状態からは程遠いですが、ヒマな休日の夕暮れ時などによく聴きます。日曜夕方の「サザエさん」をリアルタイム視聴する際のデカダン感や閉塞感を、落ち込みすぎずに擬似体験できる印象がありますね。秀逸なブルーソング集だと思います。
ちなみに対談を開始する現段階では、歌詞への関心が薄いです。なぜここまで高く評価されているのか、僕はよくわかりません。でも、その理由を知りたい気持ちも強い。それが分かれば、僕の中で相対性理論を聴く醍醐味は、さらに増していくのではと思っています。