テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~メディア論(アンチ編)(4ページ目)

今回はアンチPerfumeも含めての雑誌の反応を切ってみました。博士に加えて、元ロック少年、現在Perfume DJの助手も加わって、三人対談です。Perfumeでロックを再考します。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

CDJ

助手:
そうですね。同じような感じでロックフェスに行って、バンドTにタオルに半ズボンみたいな格好の人ばかりってのもげんなりです。

あ、ロックフェスといえば年末のCOUNTDOWN JAPANフェスにPerfumeが出演しましたね。ライブが終わった後に、さっき言ったような格好をしたロックキッズ達が「なんだコレ!?ヤバイ!ヤバイ!」って口々に言ってたのが印象的でした。実はボクもPerfumeをはじめて知ったときの感想が「なんだコレ!?」だったんです。つまり、”なんだかわかんないけどすごいもの”だったんですね。

ロックの解釈は人それぞれだと思うんですが、ボクにとっては”なんだかわかんないけどすごいもの”なんです。白人が黒人の音楽をジャ~~ンって演ったら、みんな「なんだコレ!?」って驚いたのが仮にはじまりだとしたら、3コードとか革ジャンとかじゃなくて、「なんだコレ!?」と思わせてくれるのがロックだと思うんです。そう考えるとアイドルがキレキレのダンスでハイクオリティな曲をジャ~~ンって。そのうえMCはその辺の芸人さんよりも面白いし。そりゃあみんな驚くと思うんですよ、「なんだコレ!?」って。

しかもその結果、受け手の価値観を変えるエネルギーまで持ってる。これこそがロックだと思うんです。たとえばPerfumeを通して「まさか自分がアイドルのファンになるなんて」と言ってる人もたくさんいます。その人の中のアイドルというものの価値観が変わったんでしょう。こんなにロックな現象はそんなにお目にかかれないですよ。 スタイルではなく本質としてのロック。まぁ本人たちには全く自覚はないと思いますが。

snoozerでのダメだし

先生:
対バンしていたロックバンドには申し訳ないですが、Perfumeのほうがロックでしたね。
特に、あ~ちゃんのトークはロックです。

では、本題に行きましょう。ロック雑誌snoozerでは珍しく“ダメだし”記事がありましたね。

今回のsnoozer記事を見つけてくれたのも助手です。助手、ここは簡潔にsnoozerでの論点をまとめてみてください。

助手:
2008年2月号「のだなカンタービレ」という対談コラムで田中宗一郎氏と野田努氏が、『Perfumeは単なる性の商品化か』というテーマでPerfumeをdisっています。

■日本のポップスはどんどんダメになってる・・・その象徴がPerfume
■Perfumeの受け入れられ方が非常に怖い
■単なるアイドルと言うより邪悪な磁場を感じる
■ロリコン文化は巨大な資本主義なので、ロックな青年は乗るべきではない

などなどと書いてましたが、まぁ自分なりに要約すると

■アイドルがサブカルに侵食してくるのがイヤだ
■それにまんまとノセられるファン(若者)どもがイヤだ

ということなのかなあ、と。

もういちいち反論する気にもなりませんが、少なくともロッキング・オン時代のタナソー(田中宗一郎)の記事を熱心に読んでいた元ロック少年のボクとしては、こういう頭でっかちの閉塞感がロックをつまんなくしてんだよ!と言いたい。
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