テクノポップ/テクノポップ関連情報

黄金のダンボール・バット(2ページ目)

東京にも居た(!)火星から来た男、AMIが率いるカクテルロック(?)・バンドがダンボール・バット。ロックスタア指定(by 横山剣さん)! グラムでモダンでテクノな歌謡を妄想しているなら、ぜひ聴きましょう!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

未来ブティック

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未来ブティック
――私がダンボール・バットに出会ったのは、今も驚異のロングセラーらしい『未来ブティック』(2002年)です。横山剣さん(Crazy Ken Band)と鈴木慶一さん(Moonriders)がプロデューサーとしてクレジットされている・・・これは何かあるに違いない。しかも、アルバムもタイトルも変だぞ。1曲目は「マイコン・エイジ」・・・今時「マイコン」なんて言わないぞ・・・なんて思いながら。このお二人にはどのように縁で参加いただいたのでしょうか?

『未来ブティック』を出す1年前くらいに、デモテープをとにかく誰彼かまわず送りつけたんですよ。のべにして80本近かったと思います。で、唯一反応していただいたのが、横山剣さんだったんです。それで、ケンバンドは当時P-VINEレコード所属でしたから、その絡みでP-VINEからのリリースに漕ぎ着けたわけです。慶一さんは、たまたまオレのライダーズ好きなのを知っていた知人が間に入ってくれて紹介してもらって、まあ、1曲だけですが、プロデュースしていただくことになったんです。

アルバム・タイトルの「未来ブティック」は、いつも持ち歩いている「ネタ帳」の中に書き留めてあったものの中から選んだものです。

で、1曲目の「マイコン・エイジ」は、当時のライヴではおなじみの曲でした。オレの好きなリヴァプール出身のヘンテコなニューウェイヴ・バンドで「フロック・オブ・シーガルズ」ってのが昔いたんですけど、当時そのバンドのファーストアルバムの「帯」に書いてあったコピー、「マイコン・エイジのテーマ曲・・・」ってのにピンときまして曲名に拝借させていただいたんです。昔は「パソコン」じゃなくて「マイコン」って言ってましたもんね。マイ・コンピュータ。

グラムなダンボール・バット

2005年6月30日ライヴ(photo by Yukie)
――ダンボール・バットはギラギラしていますね。ステージは映像のみしかまだ見ていないのが残念なのですが、ロキシー・ミュージックあたりを感じさせる伊達男・ゴージャスお姉さんワールド。日本では稀有なグラムロック精神(サディスティックス・ミカ・バンドやルージュとかぐらいですかね~)を感じますね。グラムロック精神とは?ダンボール・バットのファンションについても語ってください。

「引く」ことが下手なんでしょうね。ステージとかでも「押し」てばっかり。客の反応がニブイと、「うわ~、どうだ、これでもか~!」ってひたすら押しっぱなしで、それって、大人なやり方じゃないですよね(笑)? だから、自然とギラギラというか脂ぎってる(笑)ように見えるんじゃないでしょうか? 視覚的なギラギラというか精神的なギラギラ感(笑)。

グラムの持ってる、派手さとか、安っぽさとか、ウサン臭さとか、シアトリカルな演出とか、そういった部分はスゴク影響受けたし共感もするのですが、でも、とくにグラムだけに強くこだわってるわけではなく、あくまでも、バンドの中の一つの要素だと解釈しています。

とは言え、やはり自分のステージ衣装に関しては、ボウイであったり、フェリーからの影響があることは間違いありません。メンバーの衣装に関しては、たまに注文をつけることもありますが、基本的に各人に任せています。

モダンなダンボール・バット

――ダンボール・バットはポップなんですが、ひねくれていますね。それはあたかもニューウェイヴ以前の70年代モダンポップを感じさせます。多分、音楽的センスはここから来るものが多いと。

そうですね。まあ、ボーダレスで色々なものを聴いているとはいえ、自分の根っこになってるのは、そのあたりのサウンドだと思います。70年代~82・3年くらいまでの所謂モダン・ポップなんて言われているグループからの影響はかなりあると思われます。ロキシー・ミュージック、スパークス(アメリカのバンドですけど)、ビー・バップ・デラックス、コックニー・レヴェル、セイラー、チューブス・・・挙げたらキリないですけど。
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