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愛すべき80'sな映画~Part 1 エレクトリック・ドリーム(3ページ目)

『エレクトリック・ドリーム』は、MTV全盛時代のリチャード・ブランソン率いるヴァージンの映画事業参入第1号作品。モロダー・サウンドが奏でる男と女とコンピューターのビザー・ラヴ・トライアングル。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

【サウンドトラック】

『エレクトリック・ドリーム』は、サントラ抜きでは語れません。ストーリーでサントラが使われるというよりも、サントラが映画のストーリーを進行させていきます。このサントラ・アルバム『Electric Dreams』(1984年)をストーリーにあわせて解説。()は、映画での使用順序です。

01. P. P. Arnold: Electric Dreams
(1)映画のオープニング・ナンバー。P. P. アーノルドは、ゴスペル・シンガーの家族に生まれ、4歳から歌いはじめる。The Ikettesのメンバーとして、Ikeとティナ・ターナーのバック・ヴォーカルなどを務めた後、アルバム『The First Lady Of Immediate』(1967年)でソロ・デビュー。カルチャー・クラブのボーイ・ジョージと元セイラーのフィル・ピケットが作詞・作曲、Was (Not Was)のDon Wasがプロデュースしたエレクトリックなソウル・ナンバー。彼女はこの時期、ヴァージン傘下のレーベル、10レコードに所属していました。「Electric Dreams」は収録されていませんが、彼女のベスト・アルバム『The Best Of P. P. Arnold』(1999年)もリリースされています。

02. Jeff Lynne: Video
(4)マイルズとマデリーンがアルカトラズ島でデートのシーンで使われる曲。同時に、マイルズがエドガーに頼まれて最初に作った曲。マイルズが「ソーダ・ポップだ」とラヴ・ソングとしてはダメ出しをしていますが、ジェフ・リン(リチャード・タンディーがアシスタントとしてクレジット)のポップ・メイカーとしての本領発揮した名曲。

ELOフラッシュバック!!

03. Culture Club: The Dream
(6)エドガーがスリープ状態に入ってながれるラヴ・ソングですが、ほとんどストーリーとは関係の無いプロモ・ヴィデオのような使われ方をしています。

04. Giorgio Moroder: The Duel
(3)これは、この映画でのストーリーを構成する上での最重要曲。マデリーンが、チェロで「メヌエット」を練習している時、エドガーが電子音で協奏する。作曲は、ジョルジオ・モロダーとなっていますが、これってクラッシクのエレクトロ・リメイクと言った方が良いでしょう。チェロ奏者という設定からも、サントラには収録されていませんが、いくつかのクラッシク・スタンダードが使われています。

80年代サントラ・リメイク大会

05. Helen Terry: Now You're Mine
(2)マイルズが、エドガーを家にセットアップする時に使われる曲。ジョルジオ・モロダーが作曲。ヘレン・テリーは、カルチャー・クラブ、ボーイ・ジョージ、フィル・コリンズなどのアルバムでゲスト・ヴォーカルとして起用されていますが、ソロとしてはあまり活動をしていないようです。他、映画『Quick Silver』でレイ・パーカーJr.と「One Sunny Day/Dueling Bikes from... 」で共演しています。

06. Culture Club: Love Is Love
(5)ダメ出しをくらったエドガーが作った、正真正銘のラヴ・ソング。マデリーンの事を思い出しながら物思いにふけるマイルズ。曲を聴いたマデリーンは、さらにFall In Love。カルチャー・クラブって、いい曲書くんだなと再確認できます。

07. Heaven 17: Chase Runner
(8)錯乱状態にはいったエドガーが、マイルズを襲うシーン。ヒューマン・リーグのファンクな分家、ヘブン17としては、ベストといい難い曲ですが、サントラとしては効果的な使われ方をしています。

08. Jeff Lynne: Let It Run
(7)嫉妬するエドガーからマイルズがマデリーンを連れてアパートからこっそりと逃げるシーンで使われる、ジェル・リンならではのロックンロール・ナンバー。

09. Giorgio Moroder: Madeline's Theme
(9)マデリーンがエドガーのチップにこぼした涙で、エドガーが愛を知る感動的なシーン。

10. Giorgio Moroder With Philip Oakey: Together In Electric Dreams
(10)ラストのシーンで、マイルズとマデリーンは、ボルボに自転車を積んで2週間の旅行へと。ゴールデンゲート・ブリッジを走っていく・・・ ちなみに、ヒューマン・リーグのフィリップ・オーキーはジョルジョオ・モロダーと『Philip Oakey And Giorgio Moroder』(1985年)というアルバムをリリースしています。再発CDには、ボーナストラックとして「Together In Electric Dreams」のExtended VersionとInstrumentalも収録されています。
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