レイテンシー信仰はどこまで必要か!?
さて、このように製品性能の向上によってレイテンシーを小さくできるようになったことから、妙な状況が起きてきています。それは、レイテンシーを小さく設定できるものが、いいオーディオインターフェイスで、そうでないものは悪いインターフェイスというレッテルが貼られるようになってきていることです。
レイテンシーマニアというかレイテンシー信者というような人たちが、いくつに設定できるかを競い合っているわけですが、それに実質的な意味がどこまであるか、やや疑問に思わざるを得ない状況になってきています。
確かに、レイテンシーなどないに越したことはありません。とはいえ、コンピュータの仕組み上、完全に0にするのは、ダイレクトモニタリング以外に方法はないのですから、それをできる限り小さく抑えたいという気持ちは十分に理解できます。
でも、レイテンシーを小さくすればするほど、CPUに負荷がかかることも事実ですし、これで音楽制作する上で、必要十分なサイズに設定しておけばいいのではないでしょうか?
スピーカーとの距離でもレイテンシーは生じる!
私見ではありますが、レイテンシーを5msec以下に抑えられれば、十分だと考えています。医学的には20msec以下の差は感じられないといいますが、まあそれは嘘だとは思っています。実際、20msecの音のズレは感じられますから。でも5msecで十分というのは、そうした人間の感覚とは別の次元で、考えています。
それは、スピーカーとの距離の問題です。ご存知のとおり、音にはスピードがあり、遠く離れた音は遅れて聞こえるという特性があります。この音速は340m/秒といわれていますが、それはどの程度のものなのでしょうか?
距離÷時間=速さ
スピーカーとリスナーの距離によってもレイテンシーが生じる。例えば3.4m離れているだけで10msecもの遅れが生じる |
もし、レイテンシーを1msec以下に追い込むのなら、ヘッドフォンで聴く以外、無意味ともいえるほどなのです。
ちょっと、難しい話になってしまいましたが、これがレイテンシーに関する実際のところです。こんなことを参考にしながら製品を選んだり、バッファサイズの設定をしてみてください。