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【エフェクトの基礎知識】その4 コンプレッサ/リミッタ

その3以降かなりの時間がたってしまいましたが、エフェクトの基礎を紹介するこのコーナー、今回はダイナミックスエフェクトの代表、コンプレッサ/リミッタについて、見てみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

前回のその3以来ずいぶん時間が経ち、1年半以上のインターバルとなってしまいましたが、久しぶりに「エフェクトの基礎知識」の再開です。今回取り上げるのは、ダイナミックス系エフェクトの代表であるコンプレッサとリミッタです。以前その1で分類したときは、レベル系という表現を使っていましたが、まさにそのレベル=音量をいじるエフェクトです。

■コンプレッサとリミッタは表裏一体

コンプレッサおよびリミッタというのは、非常に強力な機能を持ったエフェクトであり、音楽制作をする上で欠くことのできない存在です。しかし、そんな強力で代表的なエフェクトでありながら、このコンプレッサ、リミッタというのは初心者にとって、ちょっと分かりにくいエフェクトなのです。

コンプレッサ,リミッタというのも、このエフェクトを通しても何が変わったのかすぐに実感できないからです。リバーブを通せば明らかに反響音が加わるし、コーラスやフランジャーなら違った音に変化します。そのほかにもディストーション、ディレイ、イコライザ……とたいていのエフェクトの場合、音の変化がはっきりと感じられるのに対し、コンプレッサやリミッタでは、その変化がよく分からないケースが多いからです。とりあえず、感じられるのはボリュームが多少上がったとか下がったと感じる程度で、エフェクトとして役になっているのか、分かりにくいのです。


冒頭で、レベル系エフェクトであると書いたとおり、音量をいじるエフェクトなので、音色自体何も変化しないので、エフェクトとしての効果を実感できないのは当然といえば当然なのですが、単に音量をいじるだけのものをエフェクトといえるのか疑問に感じる方もいるでしょう。

具体的な話に入る前に、コンプレッサとリミッタの違いについて触れておきましょう。実はこの2つ、名前は違うけれど基本的には同じものなのです。実際1つのエフェクトに「コンプレッサ/リミッタ」と書かれているようなものも数多く存在しているとおり、表裏一体なのです。強いて言えば使い方によってコンプレッサと呼んだり、リミッタと呼んだりしています。コンプレッサは、直訳すれば圧縮機となりますが、その名のとおり、音を圧縮する、つまり音を潰すことを目的としたエフェクトです。

一方、リミッタのほうを直訳すれば制限機となりますが、こちらは限界以上の音量の音を抑えてレベルを整えることを目的としたエフェクトです。とはいえ、単純にそう説明されて分かるというものでもないでしょう。もう少し具体的な例を交えて紹介しましょう。
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